介護保険の支給限度額についての投稿を、再開します。

   【これまでの記事】

前回の記事で紹介した参酌標準は、それまで「標準的なサービス利用の例」として議論が重ねられてきたものを整理・集約したものでした。この表は、じっくり見ると大変興味深い。議論が尽きません。このサービスモデルで実現しようとする要介護高齢者の生活とはどんなものなのか。これで、例えば一人暮らしの介護はどこまで支えられるのか? 例えば認知症の場合は?
当時、議論は霞が関の専門家と役人の世界をはるかに超えて全国に広がりました。市民、当事者、自治体関係者、事業者を巻き込んで「介護の社会化」を目指した“モデル”を構想しようと活発な議論が展開され、制度誕生の大きなモチベーションの一つとなりました。私自身も全国で講師に呼ばれ、おそらく何千人の人たちと、このサービス・モデルを入り口に望ましい介護サービスの水準について熱い議論を重ねました。本当に、皆さん熱心でした。措置から権利へ、という当時の厚生省のスローガンが真実のものとなるとしたら、まさにこうした過程を通してであるにちがいない。私はそう確信したものです。

少し先走りました。
介護保険を設計するにあたって、参酌標準に整理されたような利用の標準、いわば“サービス・モデル”を確定することは、制度の根幹にかかわるものでした。それは、介護の社会化の柱となるべき介護保険の理念を具体的に伝えるために必要であったというだけではありません。
介護を社会保険の方式で被保険者の権利として給付するとすれば、具体的で明確な給付の原則を立てなければならず、そのためには保険給付の範囲を定めるための標準化は不可欠です。介護保険制度の創設を正式に打ち出した節目となったのは、1996 年4 月22 日に老人保健福祉審議会から出された報告書『高齢者介護保険制度の創設について』ですが、すでにその中に、介護の必要度に応じた給付額の範囲を定めるという考え方が明示されています。

介護給付額の設定
○要介護状態にあると認定された場合、高齢者は介護の必要度に応じて設定された介護給付額の範囲内で、自らの判断と選択により実際に利用した介護サービスについて保険給付を受けることができることとすることが適当である。
(1)在宅サービスについて
○在宅サービスの介護給付額は、要介護高齢者の平均的な生活実態を踏まえ、地域差等を考慮しつつ要介護度ごとに想定される各サービスの費用額に基づき設定することが考えられる。

介護給付の額は「平均的な生活実態を踏まえ」「要介護度ごとに想定される費用額に基づき」決める。これが制度の骨格でした。そして、まさにこの「想定されるサービス」の範囲を確定することが制度設計の最初の仕事となり、その一定の結論として整理されたのが「参酌標準」だというわけです。
参酌標準が確定したのは、1998年10月7日に行われた医療保険福祉審議会老人福祉部会の場でした。その後、各サービスの報酬を巡る議論が本格化し、それを踏まえて。2000年1月24日、医療保険福祉審議会に区分支給限度額が正式に諮問されます。合同部会の資料では、“サービス・モデル”と限度額との関連がとても簡潔に、間違いようのない形で書かれています。こうです。
「各要介護度のサービスの標準利用例に基づき、サービスごとの介護報酬単価を代入し積算する」
資料には、各要介護度ごとにどのようにこの積算が行われたかを示す詳しい計算式も出てきます。要介護5の「訪問型」の利用例をベースにしたものです。
b0017546_23134596.jpg
つまりこうです。介護保険は、保険としてカバーする(保障する)範囲を「標準的な利用例」として明確にした。そして、この「利用例」に各サービスごとの単価を掛け合わせることで導き出されたのが、在宅サービスの区分支給限度額である、と。
だとすれば、私たちが制度検証に当たって立ち返るべき原点も明確です。「標準的な利用例」は実現されたのか。それは、高齢者の生活実態や介護保険の理念に照らして果たして今でも適切十分なのか、ということです。

# by ikejiriseiji | 2018-01-12 23:49 | 福祉 | Comments(0)
2018年。とても冷たい空気の中で、年が明けました。冬らしい空気、です。

「戦争」と「平和」を、リアリティをもって感じ考えなければならない。そう自分に言い聞かせながらの、年越しでした。もちろん、世界はいつもどこかで、戦火の中にあった。そうではなく、この国を、私たちを当事者とした「戦争」と「平和」です。
私は、1955年に生まれました。朝鮮戦争は終わっていたんですね。もちろん、記憶の外です。それから半世紀以上、日本を取り巻く北東アジアの地域で、これだけ「平和」が危うく「戦争」が間近に感じられたときはありませんでした。
とはいえ、今日は何かを論じたいわけではありません。新年の初めに、紹介したいものがあります。
1983年10月3日、練馬区議会は【非核都市練馬区宣言】を全会一致で可決しました。
     →非核都市練馬区宣言

宣言が可決された直後、当時の田畑健介区長が、議会閉会のあいさつの中でこの宣言に託して自らの思いを語っています。議事録から採録します。

1983年10月3日 練馬区議会本会議

◎区長(田畑健介君) 最初に、ただいま全会一致で決議されました非核都市練馬区宣言に関連いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。
私は、まずこの宣言に述べられています今日の核軍備拡大競争がますます熾烈の度を深め、世界平和に深刻な脅威をもたらしているという点において、基本的認識を同じくするものであることを申し上げたいと存じます。
1981年以来、ほうはいとして起こった西欧や米国、日本を初めとする世界各地での反核の叫びや核廃絶の草の根運動は、このように増大する人類共通の危機を訴える市民や地方自治体の連帯であると申せましょう。
いま、私どもは、人類を滅亡に導く狂気か、世界恒久の平和を確立するための理性か、いずれかの選択が求められているのであります。何人も好んで狂気を選択することのないことを信じたいのであります。
しかし、理性の道を選択する努力が欠如するところに、狂気の忍び寄る危険は常にあります。
もとより、私は、区民や区議会の皆様方とともに、平和裏に、人類共存の道を選び、その実現のために全力を傾けたいと存じます。力の政策の支配する冷厳、過酷な国際政治の現実を見るとき、この崇高な理想達成への道が、いかに険しく、その歩みのいかに遅々たるものか、十分承知いたしております。
しかし、私どもは、二つの理由によって世界平和確立のために、みずから先んじて、積極的な発言をしなければならない立場にあります。
一つには、世界唯一の被爆国民としての責務においてであります。
二つには、世界に比類のない徹底した平和主義を宣言する日本国憲法の立場においてであります。
広島市の平和公園にある慰霊碑に刻まれた「安らかに眠って下さい。過ちは繰返しませぬから」という誓いは、核廃絶運動の原点であろうかと存じます。本年8月6日の広島市平和宣言は、「きょうの逡巡はあすの破滅につながるとし、また同じく8月9日の長崎市の平和宣言も「長崎こそは、世界最後の被爆都市でなければならない」と全世界に向けて、痛切に訴えているのであります。
次に、日本国憲法の立場において、私は、この際、その前文にうたわれた「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに、生存する権利を有する」という人類共有の権利を強調したいのであります。平和のないところに、個人の尊厳や人権の保障はあり得ず、まして、地方自治の進展などは望むべくもなく、住民の生存すらが危機に瀕し、現に多くの人命が失われたことは、私どもの記憶に生々しいところであります。戦争の惨禍と犠牲の上に立って確認した不戦の誓いは、決して風化させることがあってはなりません。
以上、申し上げましたような基本的立場に立って、地方自治体としてなし得る不断の努力をなすべきであると考え、ここに区民や区議会の皆様方とともに非核都市練馬区宣言を練馬区として行うこととし、直ちにこれを告示いたしたいと存じます。

田畑区長の強い意志と覚悟が伝わる挨拶です。「高度な政治判断が必要」だとか、「国政上の課題」だなどという答弁を繰り返し、「平和」と「戦争」にまつわる課題についての主体的で積極的な意思を示そうとしない現区長との対比は、あまりに鮮やかです。
繰り返しますが、非核都市練馬区宣言は全会一致で可決されました。議会の議決を受けた宣言です。そして、当時と今を比べてみれば、この国と私たちの生活のすぐ間近に、「戦争」が近付いていることは明らかです。
先達の熱い思いと良き伝統を受け継いで、今年もまた、議会活動に邁進します。

# by ikejiriseiji | 2018-01-01 23:50 | 平和・国際交流 | Comments(0)
介護保険の支給限度額は、どうしてこの金額なのか。何を根拠に決められたのか? 限度額を所与のものとしてプラン作りに追われていると、そもそものこの問いなどどこかに飛んでしまいがちです。しかし、制度を構想し構築していく際には、この問いはとても重要な、いや決定的ともいえる論点でした。

介護保険制度は、3年を単位とした事業計画に基づいて進めることとされています。この事業計画を策定するのはそれぞれの保険者、つまり基礎自治体ですが、介護保険法では、事業計画の策定にあたって準拠すべき指針を国が定めることとしています。「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」、略して基本指針と言います。この基本指針の中には、介護保険から給付されるサービスの量の見込みを算出するために「参酌すべき標準」、参酌標準を定めることになっています。

介護保険法
第百十六条 厚生労働大臣は…介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。
2 基本指針においては、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 介護給付等対象サービスを提供する体制の確保及び地域支援事業の実施に関する基本的事項
二 次条第一項に規定する市町村介護保険事業計画において同条第二項第一号の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込みを定めるに当たって参酌すべき標準その他当該市町村介護保険事業計画及び第百十八条第一項に規定する都道府県介護保険事業支援計画の作成に関する事項
三 その他介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するために必要な事項

いちばん最初の基本指針は、介護保険が始まる前年、1999年5月に発出されました。その中では、参酌標準はこう書かれていました。

各年度における介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み
参酌標準(市町村介護保険事業計画において介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込みを定めるに当たって参酌すべき標準として別表第二に掲げるものをいう。以下同じ。)を参考として、各年度における介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込みを定めるとともに、その考え方を示すことが必要である。この場合においては、可能な限り、寝たきり、痴呆等の予防のためのサービスの提供の効果を考慮することが望ましい。

ここに出てくる別表第二、が下の表です。要介護度や要介護状態の類型ごとに、様々な居宅サービスを組み合わせた表です。そして実は、この参酌標準が、支給限度額と一対となっていたのです。(続く)
b0017546_21530401.jpg

# by ikejiriseiji | 2017-12-31 10:17 | Comments(0)
区内の特別養護老人ホーム待機者のなかで、「自己負担も含め限度額以上に利用している」という人が24%もいる。「ほぼ限度額いっぱい使っている」という人を合わせると、2人に1人以上が限度額を使い切るところまで行っている――練馬区のこの調査結果は、大変大きな問題を投げかけています。

ここで「限度額」というのは、正式には「区分支給限度基準額」。訪問介護、訪問看護、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)など、居宅で暮らす高齢者が利用できる主要なサービスをパッケージ(区分)にして、介護保険で利用できる金額の上限を定めたものです。要介護度別に金額が決まっています。現在はこんな数字です。

b0017546_22093581.jpg


介護保険のもともとのルールでは、限度額以内であれば、利用者の負担は利用したサービスの1割ですみました。最近になって、矢継ぎ早に2割負担、3割負担が部分的に導入されてきましたが、それでも私費負担でサービスを使うことに比べればぐっと負担は小さくなります。加えて高額介護サービス費と言って、介護保険の利用者負担には上限も置かれていますから、使うサービスが介護保険の限度額の中で収まるかどうかは、利用者・家族にとっても、ケアマネジャーにとっても、極めて重要なポイントの一つとなっています。
その限度額をいっぱいまで使っている人が、特養待機者の2人に1人以上もいるのです。限度額を超えていない人も、必要ないからではなく、費用負担が限界だからという人が多くいるはずです。在宅での介護をギリギリのところで続けている人たちが、たくさんいる。支給限度額、つまり介護保険の給付の水準は、本当にこのままでいいのか? 私たちは、真剣に考えなければなりません。
もちろん限度額で足りない人は皆、特養で受け入れるというなら、話はまた別です。3年前の調査に比べて、限度額いっぱいに使っている人の割合は11%低下していますが、これは、この間、区が特養の整備を進め、待機者のうち特に介護の必要度の高い人たちのかなりの部分が特養に入所したからだと思われます。
区は、次の事業計画終了時点では特養の待機者は解消すると数字をはじいています。そうすれば、限度額の壁の中で倒れかけそうな高齢者とその家族は、救われることになるでしょうか。しかし、このシリーズの最初で触れたように、家族介護の基盤が急速に壊れてきていることを考えれば、現在の限度額では在宅生活を続けることができなくなる高齢者が区の目算を超えて増える可能性は、きわめて高いと言わざるを得ません。しかも特養(施設)ではない、在宅の生活を継続したいと願う人は、今後、もっと増えていくでしょう。そして最後に、限度額を引き上げる方が、特養を新たに整備するよりずっと“安上り”です。在宅での支援の水準を底上げする。そのために、限度額を引き上げる。あらためて言いますが、現実的で切迫した課題です。

そもそも、給付限度額は、例外的な、あるいは“ぜいたくなサービス水準を示すのでは全くありません。給付限度額がどのように決まったのか。今ではあまり振り返られもしなくなり、介護のプロの方、あるいは介護保険の運営にかかわる行政職員でも、知らない人は多いかもしれない。少しおさらいをしてみます。(続く)

# by ikejiriseiji | 2017-12-29 22:11 | 福祉 | Comments(0)
介護を担っている主たる家族のうち、70歳以上が46%。4人に1人が80歳代…12年前、2005年の調査では80歳代は10%でした。要介護高齢者の介護を同様に高齢の家族が担うといういわゆる“老老介護”は、この10年の間にも大きく進みました。80歳の妻や夫が80歳代、あるいはそれ以上の連れ合いの介護を担っている。そんな姿が当たり前になってきているのです。
それは、だれもが当然に歳を取ったからというだけではなく、息子・娘やその配偶者が介護を担うことが難しい事情が広がっているからでもあります。主たる家族介護者の続き柄別の数字を見ると、2005年と2017年では数字はこう変わっています。
★子(息子または娘) 41.0%→35.9%
★子の配偶者 11.4%→4.6%
2005年と17年では統計の取り方が必ずしも同じではないのですが、傾向的な変化ははっきりと表れていると思われます。加えて、そもそも介護する家族がいない人たち――単身者や家族が遠方にいる人も、確実に増えています。家族に頼りながら要介護高齢者の支援を考えていくことは、もはや文字通りの限界に近付いている。一言で言えば、私たちの前に広がっているのはこうした世界です。そして、たとえばこうした現実に、練馬の、あるいはこの国の介護保険はしっかりと向き合えているか? むしろ、家族に介護の負担の多くを押し付け、家族の努力に甘えていくような制度設計、事業の運用に流れてこなかったか?
ちょっとしたきっかけでほころび、あるいは破たんする家族介護の世界を、私もしばしば見聞きしてきました。介護保険の、今の大きな宿題です。しかし、こうした宿題と真正面から取り組む姿勢は、事業計画の字面からはなかなか伝わってきません。

介護保険事業計画を取りまとめる過程では、担当の職員、運営協議会やその他の関係する付属機関、地域包括支援センターやケア会議などの場で様々な議論があり、投げかけが入り、熱心な議論もなされてきたのだろうと思います。その中での関係者の皆さんの息遣いや危機感や熱意やらを十分に共有できていないのは残念で申し訳ないことではありますが、しかし、当事者やその家族を支えるために何が必要か、何をすべきかというところに徹して、オープンで真剣な議論を改めて起こすべきところに来ているのではないか。私は、常々そう感じています。
結論を先走る前に、事業計画に関連して気になっていることをさらにいくつか見ておきたい。高齢者基礎調査の中には、「支給限度額に対する利用割合」についての項目も含まれています。特別養護老人ホームの待機者を対象にした調査で、数字は%です。

b0017546_18191242.jpg
限度額を超えて、私費負担をしてまで利用している人が4人に1人。半数以上が限度額を使い切っている…ある種の衝撃をもって受け止めるべき数字です。(続く)


# by ikejiriseiji | 2017-12-27 12:57 | 福祉 | Comments(0)
年末・年始にかけて、いくつもの区の行政計画がパブリックコメントにかけれられています。第7期介護保険事業計画(素案)もその一つです。
介護保険が始まったのは2000年度。それから3年ごとに事業計画の改定が行われてきました。改定の際は、国の方で運営基準や法の改正、介護報酬の見直しが行われ、それを受けて各自治体では事業量や施設の整備目標などを定めるとともに保険料を設定し直します。事業計画はあくまで行政計画ですが、保険料は条例事項。議会の議決が必要です。
計画書自体は、膨大です。しかし、中身は極めて定型的。国が示す指針、そしておそらくは計画策定のワークシートを使って書き上げられたものです。区としての独自の視点や課題認識などもそこここにちりばめられているのでしょうが、とても分かりづらい。そして、全体を通して、“当事者や家族の実像や思いが見えてこない”というのが正直な印象です。

介護保険事業計画の改定に先立って、いつも高齢者の実態調査が行われます。介護保険が始まる前かにら様々な実態調査がありましたが、制度発足後は継続性や体系性に配慮した貴重な調査となっています。その調査結果をながめていると、いろいろなことに気が付きます。たとえば、介護をしている主たる家族の年代別構成。2005年以来の5回分の調査から拾ってみました。(続く)
b0017546_20041006.jpg
※2014年と2017年の調査は要介護認定者を、それ以外は介護サービス利用者を対象としているため、母集団が若干異なる

# by ikejiriseiji | 2017-12-24 17:32 | 福祉 | Comments(0)
大泉学園駅の南口、ロータリーを南に出ると角に消防署がある信号にぶつかります。ここから南に延びる道路を通称「学芸大通り」といいます。その名の通り、道路沿いに学芸大附属の国際中等教育学校・小学校があります。富士街道を抜けて上石神井駅へとつながる、地域の主要な道路のひとつです。
この学芸大通り、歩行者が通るのに大変難儀する道路で有名です。もともと道路幅員が8m程度しかないために、歩道が設置されていません。加えて、路側帯に電柱が無遠慮に入り込み、しかもガードパイプがかなりの区間に設置されているために、まともに人が歩ける空間が本当に少ないのです。
18日、区の西部土木出張所の職員にも立ち会ってもらい、地域の皆さんといっしょにこの学芸大通りの駅~牧野庭園交差点区間を歩き、現状を再確認してきました。ガードパイプの外側の空間は、せいぜい80センチ程度。自転車は1台が通るのがやっと。自転車と歩行者、あるいは歩行者同士がすれ違うのはもう大変です。加えてそこに電柱があれば、たちどころにアウト。すれ違いは到底無理で、ガードパイプの内側、つまり車道に出ないと進めなくなってしまいます。典型的な場所が、ここです。

b0017546_12325790.jpg

場所は、消防署の少し南側。川満外科に入る路地の少し北になります。ご覧の通り、ガードパイプの内側に電柱が立っています。区の職員がメジャーを当ててみてくれましたが、電柱から道路際、L型溝までの距離は67センチしかありませんでした。67センチ! 車いすは、コンパクトな手押しのものでも通らない狭さです。たとえば大泉学園駅から川満外科に行こうとする車いすは、どうすればいいのでしょう? 車道に出ろ、と? それしかないでしょう。でも、それは、いくらなんでも無茶苦茶な話です。

同じような難題を抱えた個所が、他にもいくつか見つかりました。学芸大通りは、区の道路網計画では生活幹線道路に位置づけられており、将来的には幅員12mまで拡幅されることになっています。12mあれば、2.5m程度の歩道が両側に取れますから、歩行者や車いすの方の難儀は大半は解消するでしょう。しかし、生幹道としての整備の見通しは見えず、特に区は、学芸大通りと並行に走ることになる都市計画道路135号線の整備を優先する立場に固執しています。学芸大通りの本格的な拡幅はいつのこととも知れません。
学芸大通りの現状は、放置すべきではありません。135号線に対しては、地域の異論が強いだけでなく、道路が分断する大泉第二中の再建案が定まらないまま、半ば漂流しています。少なくとも、学芸大通りの特に危険な個所、特に課題が顕著な個所の局所的な改良は、急務です。ガードパイプの移設、電柱の移設、部分的な拡幅…手はいろいろあるでしょう。とにかく放置しない。しっかりと取り組むべき時に来ています。

# by ikejiriseiji | 2017-12-19 13:25 | 緑・まちづくり | Comments(0)

「民泊」をどうする?

練馬区内には、いわゆる「民泊」はどのくらいあるか?
こういう問いに対して、区の担当課長は「200件程度」と答えました。区議会健康福祉委員会でのことです。いわゆる仲介サイトをWeb上でチェックして可能な限りで把握した数字、ということであり、もちろんそれぞれの民泊の実態が確認できているわけではないとのことですが、それにしても、ちょっと衝撃的な数字です。
「民泊」――戸建てや共同の住居の全部または一部を使い、対価を取って不特定のものを宿泊させる事業は、これまで二重の意味で違法性を問われてきました。
①旅館業法の許可を得ていない
②建築基準法上、住居専用地域では旅館・ホテルに類する用途は認められていない
それでも、特に大都市部を中心に、「民泊」が広がってきました。2008年に、民泊の国際的な大手仲介サイト「Airbnb」が日本に参入、住宅投資ブームと結びつく形で物件が急増し、Airbnbの登録物件はついに4万件を超えたと言います。
この民泊を、旅館業法とは別に合法化する道が開かれました。住宅宿泊事業法の成立です。この法律によって、旅館業法の許可を得ていない(得られていない)場合でも一定の条件を満たして届け出を済ませれば、合法的に民泊を営むことができるようになりました。そもそもホテルや旅館を目的とした建物を立てること自体が禁止されている住居専用地域でも、関係なしです。
届け出を受けるのは、都道府県や区などの保健所設置市。これらの自治体は、実際にどんな条件で届け出を受けるのか、それぞれの自治体で定めることができるようになっており、今、各地でこの条例づくりの議論が始まっています。
練馬区でも、来年2月議会での条例制定に向けて、議論が始まりました。所管する区議会健康福祉委員会には、すでに条例の骨子案が示され、間もなくパブリックコメントが始まります。

委員会には私も所属しており、様々な視点から意見を言いました。詳細はパブコメが始まったところでまた書きたいと思いますが、基本的な問題意識だけ整理をしておきたいと思います。
  1. 「民泊」のように居住を前提にしない建物は、無秩序な開発・建設と容易に結びつく可能性があり、特に練馬区内では圧倒的な面積を占める住居専用地域では、地域のコミュニティやまちづくりのありように重大な影響を及ぼす恐れがある
  2. 投資目的の事業が多くを占めると思われ、管理者・責任者が不在でも営業が可能であることとあわせ、地域の住環境・生活環境に及ぼす影響が懸念される
  3. 「外国人観光客への対応」が目的とされているが、法文上は観光客の利用に限定されてはおらず、定住性の低いさまさまなタイプの利用者が利用することが想定され、そうした事態も視野に入れた十分な配慮、手続きが必要である
  4. 許可でなく届け出のため、監督官庁の指導や規制が及びにくい中で、届け出の際の手続きや条件づくりが重要となっており、そのためには条例でしっかりした規定を置く必要がある
今、例えば大泉方面では、乱立と言ってよいほどのピッチで「シェアハウス」や「ワンルーム」の建物が建てられています。そのほとんどは小規模な賃貸で、当然、家主も管理人もいないのですが、これらの建物の中には入居者がほとんどいないものも目立ち、「民泊」を視野に入れたものではないかという指摘もあります。近隣の住民からの不安や懸念の声が議会にも頻繁に届くようになっており、こうしたことも含め、区がこれから策定していく条例がどのようなものになるか、たいへん大きな責任を負っています。このブログでも、ご意見お待ちしています。

# by ikejiriseiji | 2017-12-09 18:11 | その他 | Comments(1)
昨日28日、<外環事業に伴う大泉ジャンクション周辺地区安全対策等連絡会>が開催されました。外環の工事の中でも、大泉ジャンクション周辺は、関越とのジャンクション、目白通りのインターチェンジ、計4本のランプが走り、加えて外環の2(地上部街路)が通ります。地上からの開削工事が広範に行われ、地上・地下に複雑な構造物が設置されるなど、工事中から供用後も含め、地域への影響が大変大きな場所です。そのため、安全対策や環境対策を求める声も強く、そうした声を受け止める場の一つとして作られたのがこの連絡会です。国交省が設置し、練馬区も共同事務局を担うという形になっています。
連絡会の構成メンバーは、周辺の町会・自治会、そしそて学校関係者など。私はメンバーではありませんが、いつもオブザーバーとして話を聞かせてもらっています。昨日の連絡会では、外環本選を南に伸ばすためのトンネル工事の入り口となる立坑の見学がありました。

b0017546_23520817.jpg

以前、議会の委員会で東名ジャンクションの立坑を見学したのですが、あちらは外環道の南端になります。したがって、立坑はトンネルの開始地点でもありますが、大泉の場合は、すでに外環道が北・埼玉方面からずっと走ってきています。したがって、ここの立坑は、新たにトンネルを掘り始める発端となるだけでなく、現にある道路とつなぐ接点でもあります。そのため、写真のように南北に長い形の立坑になっています。奥が南、東名方面。よく見ると、正面の壁に黄色で円が書かれています。外環のシールドトンネルの位置を示す円で、ここからマシンが掘り進んでいくことになります。円の直径は約16m。遠いので小さく見えますが、手前にある重機やトラックと比べれば、トンネルの、そして立坑の大きさが想像できると思います。
写真の左に移っているのがクレーンを載せる構台。この構台のさらに左に、もう一つ立坑があります。合わせると幅40mを優に超える、巨大な立坑です。
シールドマシンが動き出すのは、もうすぐ。そんな感じの現場でした。

# by ikejiriseiji | 2017-11-29 09:38 | 緑・まちづくり | Comments(0)
b0017546_15172218.jpg


b0017546_15174807.jpg

昨日26日の高口ようこキックオフ集会は、100人を超す参加の中、とても充実した会となりました。高口ようこ自身の地域活動の積み重ねを伝える多彩なゲスト、小さな子ども連れのたくさんのママ・パパ、そして市民の声ねりまの歴史と広がりを感じさせる顔ぶれの数々。高口ようこのチャレンジを通して、政治を市民の手に取り戻したいという、率直で切実な思いが会場を包みました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!!


# by ikejiriseiji | 2017-11-27 15:24 | 市民の声ねりま | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


by ikejiriseiji
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31