「精算払い」と「確定払い」 ~東宝クリーンサービス問題~

 区立プールの監視業務などを受託していた会社が倒産し、たくさんの従業員が賃金の不払いに苦しんでいる問題については、議会の中でも大きな議論となりました。決算特別委員会最終日(9日)、あらためてこの問題を取り上げて質疑を行いました。最終的に、教育長からこんな答弁がありました。
 私どもは委託している、これは請負契約ですので、請負契約の中での限界はありますけれども、その中でやはり最終的責任は区が負うわけですから、今いろいろご指摘いただいた点等も含めて、私どもも心配しております。常に委託業者がどうなるか、あるいは事故が起きないかについては、もう常に心にとめております。これからも、経理用地課等々もいろいろと調整をしながら正しい方向で、また間違いのないように、また、そこに働く人が賃金の不払いなどが起きないようなことをどういうふうな形で把握しているのかも含めて、しっかりと研究し、検討するように受けとめております。
 未定稿ですが、議事録を掲載します。区、区教委としてこの問題をどう受け止め、どう対処していくか。とくに、委託料の支払いの在り方、契約管理のルール、従業員の待遇や身分への配慮など、「委託化・民営化」全体にかかわる問題として、しっかりと検証していきます。
   ◆       ◆       ◆       ◆       ◆
池尻成二 改めて、今回、決算書をつらつら眺めていまして、委託化、民営化が進む中で業務委託に関する支出が非常に多くなっていると、当たり前ですけれども、改めて感じます。同時に一つ気がついたことがありまして、それは同じ業務委託の中でも施設や事業によって運営費と人件費が分けて計上されているものと、分けて計上されていないものがあるということです。例えば、指定管理施設の管理業務費で見ると、障害者の施設については分かれているのですけれども、女性センターや交流センターは分かれていません。これは、清算払いと確定払いという管理業務費の支払い形態と関連しているようなわけですけれども、どういう事情で、こういう決算書、あるいは予算書上の違いが出てきているのか、少し簡単に教えてください。



財政課長 福祉の処遇施設などにおきまして、配置基準等が定められている場合には、人件費ということで区分した経理をしているということがございます。そういう関係で、これらにつきましては、表記をわかりやすくするという観点から人件費と運営費と予算書上分けている。それにつられて、決算書も分かれているというものでございます。
池尻 ありがとうございます。指定管理だけではなくて、業務委託契約についても同じような違いがあります。今の課長のご答弁と沿うわけですけれども、例えば保育園や学童クラブについては清算払いということで、予算上、決算上は運営費と人件費が分けて計上されておりますが、光が丘区民センターの管理業務やスポーツ施設の管理業務については確定払いということで区分がないと。この清算払いと確定払いというのが、どういう違いがあるのだろうと、いろいろ考えてみたわけですけれども、清算払いであれば人件費分として支払われる税金と他の税金を他の支出に回すといったことは、原則としてできません。また、清算行為が入るので、当然、詳しい収支報告を求めることになります。
 他方、確定払いであれば、事業がきちんと行われている限りは、一たん支払われた税金はどこでどう使われようと問われないということになるのだろうと思います。
 実は、ある区立の福祉園の委託に伴う財政効果という資料をいただきまして、これを見ていて、改めて感じたのですが、直営のときと指定管理に移って、人件費が約2億2,000万円から1億1,800万円ということで、ほとんど半分近くに減っていると。部分的に委託に回ったものもあるそうなので、このまま数字を受け取ることはできませんが、これを見て、私は本当にこんなに人件費が違うのだと驚いたのですけれども、こういうことがわかるのも、実は清算払いだからだと。これが清算払いではなくて確定払いであれば、こういう数字自身が私も目にすることはできないかもしれないということなのだろうと思います。
 そういった意味で、清算払いというのは、区のチェックが入りやすい、経理が透明になる、また人件費がしっかりと担保されると、そういった特徴があるのだろうと思います。同じ委託、あるいは同じ指定管理であっても、どういう支払いの形態をとるかは、なかなか大きな意味を持っていると感じているところです。
 今回の決算審査の中で、私たち会派として、三原台温水プールなどの受託業者が破産をし、労働者が賃金の不払いで苦しんでいるという問題を何度か取り上げてきました。実はこの温水プールの管理業務委託も委託料の支払いは確定払いということで、委託仕様書上も収支報告や支出記録等は全く求めていなかったようです。その中で、先ほど来、何人かの方もお触れになりましたけれども、賃金の不払いが起こってしまったと。
ここで確認なのですけれども、一般的な認識で結構なのですが、賃金の不払いということは、これは契約書に通常うたわれている法令遵守の義務に反することであるのだろうと思うのですが、その点、ご確認いただけますか。
経理用地課長 契約書には法令遵守ということで、発注者、そして受注者側が、それを守って契約を履行すると定められておりまして、もし、それに基づいて履行しなければ、契約の解除等、そういったことにつながるものだと理解しているところでございます。
池尻 聞き漏らしたのかもしれませんが、賃金の不払いというのが、これは労使の法的な約束事に当たります。賃金の支払い、これは労働協約あるいは就業規則も含めた法的なバックボーンがあると思うので、賃金が不払いになるということは、これは協定やら契約書上言われている法令遵守に反することなのだと、そういうご説明だと理解をいたします。
 これは、昨日、うちの会派の北川委員からもご紹介した板橋区長が、同じ業者さんを契約解除する際に法令遵守義務違反ということをおっしゃっています。
 今回の問題を受けて、区としては、区民サービスに支障を来さないようにという視点から契約のあり方についても検討していくというご答弁が昨日もあったように記憶をしております。しかしながら、区民サービスの視点からだけではなくて、現場を支えてきた労働者を大切にできるかどうか。少なくとも法の保護のもとに置くことができるかどうかということは、私はそれに劣らず非常に問題であるだろうと思います。特に今回は、賃金が安い、下がったといったレベルの問題ではなく、そもそも労働の対価が支払われないという、法令が遵守されないという事態であるわけです。公の施設の管理、あるいは運営において、こういうことが許されてよいはずがないと思います。しかしながら、残念なことに許されてならないことが現に起こり、そして結果的に区はそれを防止することも、チェックすることもできなかったと。これは、実は非常に深刻な反省を迫る間題だと、私は思っています。この問題を何度か取り上げましたけれども、所管の最高の責任者である教育長さんから特段、認識をまだ伺っておりません。ぜひ、このことがどういうふうに受けとめられているかをお聞かせいただければと思います。
教育長 私どもの方でも、いくつかの施設を委託、あるいは指定管理者としてお願いをしております。去年の暮れですか、光が丘の体育館のプールにおいて、やはりこれとはまた違いますけれども、指摘をされました。また、あるいは、ふじみ野市の事故等があって、私どもは委託している、これは請負契約ですので、請負契約の中での限界はありますけれども、その中でやはり最終的責任は区が負うわけですから、今いろいろご指摘いただいた点等も含めて、私どもも心配しております。常に委託業者がどうなるか、あるいは事故が起きないかについては、もう常に心にとめております。これからも、経理用地課等々もいろいろと調整をしながら正しい方向で、また間違いのないように、また、そこに働く人が賃金の不払いなどが起きないようなことをどういうふうな形で把握しているのかも含めて、しっかりと研究し、検討するように受けとめております。
池尻 ぜひ、今おっしゃったように、サービスの継続、継承、安定というのは、これは区民に対する一義的な責任であるわけですけれども、同時にそこで働いていらっしゃる方たちのことについても、さまざまな視点から目配りをしてやっていけるような、そういう契約管理のシステムも含めて、ご検討いただきたいと思います。
by ikejiriseiji | 2009-10-18 10:27 | 行政改革 | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


by ikejiriseiji
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31