いい加減な数字を口にしてはいけない! ~石神井駅前・232号線の交通量~

4月27日、「石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業検討状況報告会」の第2回が区の主催で開催されました。いやぁ、長い名前だ…要するに、当該地区で区が進めようとしている「再開発」事業――都市計画道路232号線の整備と高さ110mの超高層マンションビルをセットにした事業について、地域の皆さんに“ここまでまとまったよ”と報告しようという場なのですが、それにしても、ひどい会になりました。参加者の一部から繰り返し飛び出すきつい不規則発言にも閉口しましたが、しかし、区の説明・答弁がもう少し真摯かつ的確に参加者の問いかけに答えるものであったならば、こんなには荒れなかっただろうと思わずにはおれません。
それほど区の所管課長の説明や発言は、準備不足なのか誠意が足りないのか、かみ合わなかったり通り一遍だったりというものが目立ちました。それでも、ちゃんと答えになっていないというのであれば、しっかり答えて! で済むのですが、しかし、虚偽と言われても仕方ないことを口にしてはいけません。
232号線の交通量に関する課長の答弁のことです。232号線の石神井公園駅前について、東京都は将来交通量の推計として1日20,727台という数字を出しています。※
※都市計画道路の第四次事業化計画を策定する際に出した数字で、2050年度、都市計画道路のフルネットワークが完成したとされる時点での推計

この都の推計を基に、参加者から「1日2万台も通る道路ができたら、駅の南側は南北に分断されるのではないか」「232号線が通れば歩行者にとっても安全性や利便性が増すと区は言うが、それは、道路に沿って歩く場合。道路を渡ろうとすると、大変なバリアになるのではないか」といった指摘が出されたのですが、これに答えて、課長はこう言ったのです。

「イメージとしては、現在の富士街道の12時間の交通量が8800台。一日の交通量に換算しますと1万7千とか8千台。それが平成22年の数字。2万台のイメージというと、それをちょっと上回る程度ということになります。」
1日2万台といっても、せいぜい「富士街道をちょっと上回る程度」。そんなに心配することはない、そんなに大きな影響はない…とでも言いたいのでしょう。今の富士街道だって、信号がなければなかなか渡れません。富士街道並みの交通量だとしても、駅の真ん前にそんな道路が走ることの良しあしについては、言いたいことはたくさんあります。
しかし、ここではっきりと指摘しなければならないのは、この課長の答弁は本当にいい加減で、根拠のない無責任なものだということです。
12時間交通量が8,800台、だから1日24時間だと2倍の18,000台。課長はこう言います。しかし、こんな計算は、およそ道路交通の実態をいくらかでも知っている人なら決してできない素人計算です。12時間交通量は、7~19時までの交通量です。12時間交通量と24時間交通量の比率を「昼夜率」と言います。
●昼夜率=24時間交通量÷12時間交通量
課長の説明だと、富士街道の24時間交通量は昼間12時間の交通量の2倍。つまり、富士街道の昼夜率が2ということになります。これは、とんでもない数字です。実際には、夜間に輸送用トラックなどが集中して走る大都市周辺の広域高速道路や幹線国道でも、この昼夜率はせいぜい1.5です。首都高の都心部では、例外的に高いところがありますが、それでも1.7程度。家庭系の交通が多い一般道では夜間の交通量は減少しますから、昼夜率はもっと低くなります。
ちなみに、2010年度に国が行った交通センサスの数字から、区内の幹線的な一般道の昼夜率を見るとこんな具合です。
川越街道 1.58
目白通り(豊玉北) 1.44
大泉街道(三原台) 1.44
笹目通(土支田) 1.44
環八(平和台) 1.45
富士街道もありました。関町北で1.44です。実は、課長が紹介した12時間で8,800台という数字は、この交通センサスでのこの地点のものでした。つまり、課長は、少なくとも昼夜率を1.44として富士街道の24時間の交通量を口にすべきだった。もしそうすれば…
8,800台×1.44=12,672台!!
232号線の石神井公園駅前で想定されている交通量は、富士街道を「ちょっと上回る程度」どころか、富士街道の1.64倍なのです。「ちょっと上回る」のと「1.64倍」では、受ける印象はそれこそ雲泥の差です。さらに付け加えれば、石神井公園駅周辺の富士街道の交通量は、2012年の9月で7,630台(12時間)でした。これは区自身が調べた数字ですが、課長が引用した関町北の8,800台ではなくこの数字を用いれば、232号線の推計交通量は富士街道の現状(7,630台×1.44=10,987台)のほぼ2倍です。232号がいかに大量の交通量を駅前に呼び込もうとしているか、驚くべきです。
232号線の推計交通量は、たぶん私が最初に議会で指摘し、それ以来、何度も問題にしてきました。駅前の新たな大型道路整備に反対する住民や関係者も、繰り返し指摘してきました。課長にとって、目新しい質問でも戸惑うような質問でも全くなかったはずです。にもかかわらず、きちんとした根拠や数字を踏まえることなく、適当な…本当にいい加減な数字を口にしたことに、私は強い失望と憤りを感じています。
こんなずさんな対応を続けている限り、住民や商店街とのいくらかでも誠実で実りある意見交換は決してできないでしょう。所管課長と所管課の職員の皆さんの猛省を求めます。

by ikejiriseiji | 2017-05-11 22:32 | 緑・まちづくり | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


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