外来患者の負担増 ~順天堂附属病院の増床計画 (その3) ~

90床の増床に向けて、順天堂が新たに提案してきた施設配置計画については、いくつか懸念されることがあります。その最大のものは、外来患者への負担増です。
今は、外来は1号館の2階にまとまって置かれていますが、新たな配置計画では外来診療は原則として4号館に集約されます。問題は、検査です。外来には、検査は不可欠です。血液や尿検査といった基本の検査だけでなく、MRIやCT、あるいは順天堂にはPETもあります。これらの検査機能は、4号館には移りません。1号館に残されたままです。ということは、外来患者さんで検査が必要な人はどんな流れになるのでしょう?
この点についての詳細な説明を求められて、区の担当課長が答えた内容が以下のようなものでした。

各建物間の動線は、1号館からいきいき歩道橋を通って2号館へ。連絡通路を通って4号館に入る。駅方面からは、2号館から入ってエスカレーターもしくはエレベーターで2階に上がり、連絡通路を通って4号館に行く。
外来診療の流れは
  • 再診で検査のない方は4号館で受付をし、診察を受ける。1日約1300名の外来患者のうち700名程度
  • 再診で採血、採尿の検査が予定されている方は、最初に1号館で検査をし、検査結果が出るまでの1時間程度の間に4号館に移動。1日約250名程度
  • 初診は、まず1号館で受付をしカルテをつくる。その後、4号館で診察。1日120名程度
  • 初診のうち具合が悪く、紹介状を持たずに来る方で、どの診療科にかかればよいか判断の付かない方は1号館1階の総合診療科へ。初診の120名のうち20名程度
  • 会計は1号館4号館どちらでもできるようなる

ということは、1号館と4号館の間での移動が不要な人は、外来のうち再診で検査のない700人と初診のうち総合診療科に行く20人程度。1日1300人の外来患者のうち、残りの半分近くは4号館→1号館(検査)→4号館という移動を強いられることになります。4号館では、外来の診察室は4つのフロアに分かれており、4号館内での上下の移動も負担となるかもしれません。エレベーターは3基。外来は一人でいくつもの診療科に係る場合もあるでしょうし、1300人の患者さんとその家族・付添いが比較的短時間に集中する状況に混乱なく対応できるのかも気がかりです。
新たな施設配置計画が、外来患者の負担を重くするものであることは否定のしようがありません。順天堂は急性期医療を柱とした医療機関ではありますが、他方では「地域医療支援病院」として、地域の医療機関との紹介・逆紹介を支える外来機能も、大きな柱です。1日1300人という外来患者はたいへんな数ですが、今やその大半は紹介患者であり、この部分での順天堂の役割は決して小さくありません。外来患者の負担増を、軽々に認めることはできません。
外来を4号館に移転することと合わせて、診察室の増室や通路の拡幅などの機能の拡充・改善も図られるようですが、これらは1号館に外来を残したもままでも検討することはできるはずです。

多数の外来患者にこれまでにない負担を求めてまで、なぜ病床を1号館に寄せることが必要だったのか?
区によると、順天堂の説明はこうだそうです。
①サービス向上→病床を寄せることによって、入院患者が横に(歩道橋を使って1号館に、という意味)移動することがない。
②運営効率の改善→90床寄せることによって、運営上は行き来もしやすくなるし、患者の急変にもすぐ対応できる。
詳細は分かりませんが、ここで言われていることは理解できないわけではありません。しかし、外来と入院、外来診察と検査を別々の建物に分離することのリスク、不合理と比べてどうか。とりわけ、外来に訪れるたくさんの患者さんの視点に立って、検討が十分になされているとは、残念ながら思えません。
さらに言えば、4号館に入れる予定だった60床の病床にどのような機能を持たせるかによっても、施設配置の功罪はかなり変わってきそうです。この点では、ベッドを1号館と4号館に分けて配置することとセットで、病床機能についても、あらためて整理・見直しをしてもよかったのではないか。委員会の場で、私は4号館のベッドを「地域包括ケア病棟」として整備することは考えられないのか? と問うてみたのですが、それもこうした問題意識からでした。(続く)


by ikejiriseiji | 2017-10-27 11:55 | 健康・医療 | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


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