“民泊”をどうする? ~練馬区議会、条例案審査へ~

練馬区議会の第1回定例会が始まりました。会期は3月9日まで。4月に区長選・区議補選を控え、それでなくても厳しい論戦になる議会ですが、今定例会には重要議案が目白押し。3年に1回、保険料を決める介護保険条例。都を保険者とする歴史的な制度改正を受けての国保条例…そしてもちろん、新年度予算案。さらに、なかなかに大きな意味を持つのが「住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例」、いわゆる民泊条例です。

民泊事業をどのような条件、ルールのもとに認めていくのか。この点で、法はとくに「環境の悪化を防止する」という観点から、自治体が区域を定めて住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができることとしています。条例案は、この地域、時期の制限を柱にしながら、付加的に届け出に伴う手続きを定めることを主な内容としています。
まずは最大の論点は、どの範囲の地域で制限をかけるのか。また、どの程度まで期間を制限するのかということです。
法が施行され、民泊が“公認”されるのは、今年の6月。そこに間に合わせようと、23区では練馬以外でも条例制定に向けて検討が進んでいます。把握できた限りで、それぞれの区が考えている条例規制の内容を比較してみました。(下表―新宿・大田は条例。他はパブリックコメントにかけられた条例骨子など)

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9つの区だけ見ても、内容は多様です。もともとホテル・旅館の営業ができない住居専用地域を規制の範囲とする区は多いですが、中央区は全区。また、文教地区などそれぞれの実情に応じて範囲を膨らませている区もあります。中でも気になるのは、「地区計画でホテル制限をしている地区」を含めた千代田区の対応です。
細かいことは省きますが、練馬でも、住居専用地域以外でも地区計画という都市計画をかけて付加的に用途制限をかけることは珍しくありません。風俗営業法の用途を制限することが最も多いですが、ホテル・旅館を制限する地区計画もいくつもあります。私が確認した限りでは、次の地区計画の中でホテル・旅館の用途制限が掛けられています。

高松四・五丁目谷原一丁目地区/北町六丁目地区/補助230号線土支田・高松地区/土支田中央地区/光が丘地区/中村橋駅北口地区/放射7号線西大泉・大泉学園町地区/補助230号線大泉町三丁目地区

目立つのは、都市計画道路の沿道に地区計画をかけるパターンです。低層住居専用地域を割く形で都市計画道路が整備された場合、道路の両側の用途は「住居地域」にまで緩和されることが多くあります。その際、もともと住居専用地域であったことや周辺がなお専用地域であることなどを考慮して、住居地域では本来は認められるホテル・旅館などの用途を規制するのです。
しかし、そうだとすると、この地区計画の区域では民泊はどうするのか?
例えば、これから230号線が伸びていく大泉学園町。低層の住居専用地域ですから、ホテルや旅館はできず、民泊も土日などに限定されます。ところが、道路が通り沿道が住居地域に変わると、ホテル・旅館は地区計画で不可のままになっても民泊は制限されなくなってしまう…住環境を守ろうとして作る地区計画が、民泊の前には無力でよいとはとても思えません。

それ以外にも、民泊を認める期間についても、土日なのか、金土日なのか。祝日はどうするのか。そして、さらに気になるのは「家賃不在型」と言われる民泊の扱いです。こうした点も含め、しっかりと条例審査の中で議論していきますので、どうぞ注目していてください。

by ikejiriseiji | 2018-02-02 19:34 | 緑・まちづくり | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


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