カテゴリ:緑・まちづくり( 256 )

西武新宿線の連続立体交差事業が、新たな段階に入ろうとしています。
連続立体交差事業(連立事業)というのは、鉄道の立体交差化と道路整備を一体的に行い、踏切などの交通課題やまちづくりを進めようというものです。もう50年近くも前に、当時の建設省と運輸省が協定を交わして以来、特に都市部の鉄道・道路事業の主要な手法として使われてきました。
練馬では、この間、西武池袋線で連立事業が行われてきましたが、高野台~大泉学園駅間が今年3月に完了。舞台は、西武新宿線の方に移っています。西武新宿線では、中野区間(中井~野方駅間)が現在、事業中です。それに続く野方~井荻区間、井荻~東伏見区間がいつ動き出すのか。とくに後者は、上石神井や武蔵関という練馬区内の駅を含み、区も区議会も、そして地域の区民の皆さんも、たいへん関心の強いところでした。
この西武新宿線の野方以西について、国交省がこの3月、着工準備採択という手続きを行ったことがわかりました。野方~井荻、井荻~東伏見の二つの区間の同時採択です。
     ※下の表は国土交通省が2017年度に予算化した事業のリストから。
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着工準備採択というのは、事業認可と補助金交付の権限を持つ国が事実上のゴーサインを出し、法的な手続きのための関係者の協議が始まる節目の手続きです。これを受けて、今、東京都、西武鉄道、関係自治体は次の手続き、都市計画決定に向けた検討を進めています。
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実は、新たに準備採択された区間は「高架」になるのか、「地下」になるのかも決まっていません。立体交差には、鉄道を上にあげる「高架」でもできますし、地下にトンネルで通すやり方もあります。西武池袋線は今のところすべて高架方式ですが、新宿線の中野区間は実は地下方式です。
鉄道が高架になるのか地下に入るのかは、たいへん大きな選択です。この点での議論は、少なくとも練馬区議会のレベルではほとんど進んでいませんが、地域も巻き込んで大いに検討の視野を広げたいところです。

by ikejiriseiji | 2017-09-22 20:58 | 緑・まちづくり | Comments(1)
日曜日、上石神井で区政報告会を開きました。小さな会場でしたが、20人以上の方が来てくださり、とても活発な意見交換の場となりました。ありがとうございました。
今度の土曜日は、武蔵関の駅近くでやります。関町地域のまちの変容とまちづくりの現状を拾いながら、お話をしたいと思っています。関町や立野町方面は、練馬の中でも、特に緑が豊かで、素敵な景観が広がる地域です。しかし、この地域では今、急速に緑が失われています。2007~2012年の5年間では、この地域の大半の町丁目で緑被率はむしろ増えていました。ところがその後の5年間で見ると、すべての町丁目で、緑被率は減少しています。もっとも減少が激しい関町南3丁目は、この5年間に6%以上も減っています。すさまじい、と言ってよい減り方です。

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まちの姿が、大きく、激しく変わりつつあります。同じような傾向は、例えば大泉学園町や西大泉などでも顕著です。宅地化と開発の波が広がっていることと、もちろん、深く関連しているはずです。そして、この波は、「利便性の高い都市」「都市計画道路などの都市基盤の整備」を強く指向する前川区政のもとで、これから、確実に高くなっていくでしょう。
それでいいんでしょうか?
今度の土曜日は、武蔵関駅周辺の「まちづくり」の動きも視野に入れながら、この地域のこれからを考えてみたいと思っています。関心のある方は、市民の声ねりま siminnokoe@nifty.com または03-5933-0108までご連絡ください。


by ikejiriseiji | 2017-09-11 20:58 | 緑・まちづくり | Comments(0)
今や広大な更地となった、外環道の大泉ジャンクション予定地。この場所に、何が、どんな形でできていくのか。あらためて整理をしてみます。

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赤い線で囲まれたエリアが「道路区域」。この範囲に、道路や環境施設帯などが整備されます。黄色は、高速道路のランプ(連結路)。ランプは大きくは4本、この図の上から外環北行→関越下りランプ、外環北行→目白通りランプ、目白通り→外環南行ランプ、関越上り→外環南行ランプになります。関越と外環をつなぐジャンクションの二つのランプは、いずれも、目白通りを高架で跨(また)ぎます。
黄色い高速道路の線が消えているところは、地下に入る部分です。4本のランプはいずれも東映通りの北で地下に入りますが、関越→外環のランプだけは、東映通りをくぐったあと再び地上に顔を出し、三原台中学校の校庭南端のあたりまでオープンな構造が続きます。料金所が設置されることになっているためで、この部分は蓋かけもありません。
灰色の線は、一般道になります。目白通りインターチェンジの二つのランプの間から始まっているように見える一般道は、2車線の外環の2(外環地上部街路)です。外環の2は東映通りと交差点を作り、三原台中の南付近から二股に分かれますが、さらに南側、前原交差点で一つになります。そして、外環道のさらに外側に、地先のアクセスを担保するための生活道路が配置されています。
東映通りの南側は、高速道路は大半が地下に潜ります。他方、東映通りの北側は高速道路部分が複雑に絡み合い、大がかりな立体構造を造ることになります。高速道路部分があるため東西両側には厚めの環境施設帯が設けられますが、それにしても、環境や景観も含め地域への負荷は小さくないと危惧されます。
環境施設帯の西側部分は、すでに大半が姿を消した八の釜憩いの森の代償措置としても位置付けられています。八の釜の湧水源は現在の場所に保全できると言っていますが、水辺環境も含め、その在り方は不透明なままです。
大泉ジャンク所何周辺地域は、いよいよこれから、ランプ本体も含めた大規模な工事が本格化します。工事中から工事後の地域への影響をしっかりとチェックするとともに、環境施設帯をはじめとして、取り扱いが定まっていない数々の課題についても積極的に議論を始めるべき時期です。

by ikejiriseiji | 2017-08-03 15:45 | 緑・まちづくり | Comments(0)
外環道を南に延ばす工事が進んでいます。南端は東名道とのジャンクション、北端は関越道や外環の既供用部分とつながります。関越道と外環道とを結びつけるのが「大泉ジャンクション(JCT)」。この北端、大泉JCT周辺地域は、外環道の延伸事業の中でもとりわけ広範囲に土地が改変され、大規模に施設が整備される場所でもあります。というのも、この地域には
①関越道と外環道とをつなぐ二つのランプ(接合道路)
②外環道と目白通りをつなぐ二つのインターチェンジ・ランプ
③2車線の都市計画道路・外環の2
④沿道の住宅地の地先のアクセスを保証するための生活道路
が造られることになっているからです。
大泉JCT予定地では、用地買収はほぼ完了しています。もともとはたくさんの住宅があったのですが、その大半がすでに除却され、今は広大な空地が姿を現しています。あまりに広大で、「飛行場でも作るんじゃないかと思っ」と真顔で話す人もいるくらいです。
大泉街道から北、関越道方面を望むと、こんな感じです(写真)。大泉街道近くでは、道路区域の幅員はだいたい40m近くになっていると思われますが、北の方、目白通りに近づくと東西の幅は100m近くになります。本当に広大です。この広大な区域に、何がどう造られるのか。あらためて整理してみます(続く)。
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by ikejiriseiji | 2017-08-02 12:35 | 緑・まちづくり | Comments(0)
昨年度に行われた『緑の実態調査』の結果については、一度、このブログに書きました。
     ➡消える緑、さらに一段と ~みどりの実態調査2016~

実態調査の内容について、いくつかの視点から紹介していきたいと思います。まずは、「地区別の緑被率の推移」。前回の調査、2011年からの5年間で、それぞれの町ごとに緑被率の増減をまとめたものが次の図です。赤色の濃いところが、減少幅が大きな地区。2%以上減少しているのは西大泉、東大泉、石神井台、関町・立野、土支田など。報告書が認めているように「区の西部で大きく減少」しています。
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5年前、2011年の実態調査の時はどうだったか。2011年の調査結果をさらにその5年前、2006年と比較したものがこちらです。色付けが少し違うので比較しづらいところがありますが、しかし、この5年間での状況の激変ぶりは驚きです。今回の調査で2%以上緑被率が減少した石神井台や関町・立野、東大泉などは、5年前はむしろ緑が増えている地区だったのです。
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この激変を呼び起こしたのは、まちがいなく、「開発」、道路整備や宅地開発の進行です。練馬のまち、練馬のみどりは、本当に大きな転換点に立たされています。

by ikejiriseiji | 2017-06-05 16:19 | 緑・まちづくり | Comments(0)
4月27日、「石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業検討状況報告会」の第2回が区の主催で開催されました。いやぁ、長い名前だ…要するに、当該地区で区が進めようとしている「再開発」事業――都市計画道路232号線の整備と高さ110mの超高層マンションビルをセットにした事業について、地域の皆さんに“ここまでまとまったよ”と報告しようという場なのですが、それにしても、ひどい会になりました。参加者の一部から繰り返し飛び出すきつい不規則発言にも閉口しましたが、しかし、区の説明・答弁がもう少し真摯かつ的確に参加者の問いかけに答えるものであったならば、こんなには荒れなかっただろうと思わずにはおれません。
それほど区の所管課長の説明や発言は、準備不足なのか誠意が足りないのか、かみ合わなかったり通り一遍だったりというものが目立ちました。それでも、ちゃんと答えになっていないというのであれば、しっかり答えて! で済むのですが、しかし、虚偽と言われても仕方ないことを口にしてはいけません。
232号線の交通量に関する課長の答弁のことです。232号線の石神井公園駅前について、東京都は将来交通量の推計として1日20,727台という数字を出しています。※
※都市計画道路の第四次事業化計画を策定する際に出した数字で、2050年度、都市計画道路のフルネットワークが完成したとされる時点での推計

この都の推計を基に、参加者から「1日2万台も通る道路ができたら、駅の南側は南北に分断されるのではないか」「232号線が通れば歩行者にとっても安全性や利便性が増すと区は言うが、それは、道路に沿って歩く場合。道路を渡ろうとすると、大変なバリアになるのではないか」といった指摘が出されたのですが、これに答えて、課長はこう言ったのです。

「イメージとしては、現在の富士街道の12時間の交通量が8800台。一日の交通量に換算しますと1万7千とか8千台。それが平成22年の数字。2万台のイメージというと、それをちょっと上回る程度ということになります。」
1日2万台といっても、せいぜい「富士街道をちょっと上回る程度」。そんなに心配することはない、そんなに大きな影響はない…とでも言いたいのでしょう。今の富士街道だって、信号がなければなかなか渡れません。富士街道並みの交通量だとしても、駅の真ん前にそんな道路が走ることの良しあしについては、言いたいことはたくさんあります。
しかし、ここではっきりと指摘しなければならないのは、この課長の答弁は本当にいい加減で、根拠のない無責任なものだということです。
12時間交通量が8,800台、だから1日24時間だと2倍の18,000台。課長はこう言います。しかし、こんな計算は、およそ道路交通の実態をいくらかでも知っている人なら決してできない素人計算です。12時間交通量は、7~19時までの交通量です。12時間交通量と24時間交通量の比率を「昼夜率」と言います。
●昼夜率=24時間交通量÷12時間交通量
課長の説明だと、富士街道の24時間交通量は昼間12時間の交通量の2倍。つまり、富士街道の昼夜率が2ということになります。これは、とんでもない数字です。実際には、夜間に輸送用トラックなどが集中して走る大都市周辺の広域高速道路や幹線国道でも、この昼夜率はせいぜい1.5です。首都高の都心部では、例外的に高いところがありますが、それでも1.7程度。家庭系の交通が多い一般道では夜間の交通量は減少しますから、昼夜率はもっと低くなります。
ちなみに、2010年度に国が行った交通センサスの数字から、区内の幹線的な一般道の昼夜率を見るとこんな具合です。
川越街道 1.58
目白通り(豊玉北) 1.44
大泉街道(三原台) 1.44
笹目通(土支田) 1.44
環八(平和台) 1.45
富士街道もありました。関町北で1.44です。実は、課長が紹介した12時間で8,800台という数字は、この交通センサスでのこの地点のものでした。つまり、課長は、少なくとも昼夜率を1.44として富士街道の24時間の交通量を口にすべきだった。もしそうすれば…
8,800台×1.44=12,672台!!
232号線の石神井公園駅前で想定されている交通量は、富士街道を「ちょっと上回る程度」どころか、富士街道の1.64倍なのです。「ちょっと上回る」のと「1.64倍」では、受ける印象はそれこそ雲泥の差です。さらに付け加えれば、石神井公園駅周辺の富士街道の交通量は、2012年の9月で7,630台(12時間)でした。これは区自身が調べた数字ですが、課長が引用した関町北の8,800台ではなくこの数字を用いれば、232号線の推計交通量は富士街道の現状(7,630台×1.44=10,987台)のほぼ2倍です。232号がいかに大量の交通量を駅前に呼び込もうとしているか、驚くべきです。
232号線の推計交通量は、たぶん私が最初に議会で指摘し、それ以来、何度も問題にしてきました。駅前の新たな大型道路整備に反対する住民や関係者も、繰り返し指摘してきました。課長にとって、目新しい質問でも戸惑うような質問でも全くなかったはずです。にもかかわらず、きちんとした根拠や数字を踏まえることなく、適当な…本当にいい加減な数字を口にしたことに、私は強い失望と憤りを感じています。
こんなずさんな対応を続けている限り、住民や商店街とのいくらかでも誠実で実りある意見交換は決してできないでしょう。所管課長と所管課の職員の皆さんの猛省を求めます。

by ikejiriseiji | 2017-05-11 22:32 | 緑・まちづくり | Comments(0)
2016年に実施された「みどりの実態調査」結果の速報が、先日の区議会環境まちづくり委員会で報告されました。この実態調査は、<みどりを愛し守りはぐくむ条例>が区に義務付けているもので、5年に1回のペースで行われています。
速報ではごく総括的な数字しか公表されていませんが、練馬の緑は、確実に――しかも、ピッチを上げて減り続けています。練馬区の総面積は4,816ha。そのうち「緑被地」、つまり緑に覆われた部分は1,160ha。緑被率は24.1%でした。5年前は25.4%、この5年間で1.3%の減少です。その前の5年間の減少は0.7%でした。練馬の緑は、減少が止まらないばかりか、速度を上げて減り続けています。重い数字です。

緑の内訳は、グラフのようになっています。練馬の緑の特徴は、よく知られるように、民有地の緑が圧倒的に大きなウェイトを占めていることです。失うは易く、守り残すは難し。区政と区民を挙げて、緑を大切にする意志と方針を持ち得ているか。実態調査のきびしい結果は、あらためてこの問いを突き付けています。
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by ikejiriseiji | 2017-04-06 22:40 | 緑・まちづくり | Comments(0)
昨日、区議会の第1回定例会が終了しました。1ヶ月以上にわたる長丁場。予算審議をはじめとしてたくさんのことを議論し、また、いろんなことがありました。少しずつ報告をしていきます。
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白子川の源流、大泉井頭公園から東に100mほど行ったところに、まとまった樹林と広場があります。区立・井頭の森緑地のほか、二つの憩いの森、そして二つの民間遊び場からなる空間です。武蔵野の緑の原風景を残す、なかなか魅力的な空間です。
これらの憩いの森等は、井頭の森緑地を除いて民有地でしたが、昨年、区が購入することになりました。土地開発公社の先行買いですが、5年以内に区が買い戻し、公園として整備することになります。全体で1ha近い、貴重な縁です。
この件について、予算審議の中で簡単に取り上げました。質疑の記録を貼りつけておきます。都市計画をかけるので、これまでの民有地であったときとはいろいろと違った条件や考え方も入ってくるかもしれません。加えて、この一帯には都市計画道路232号線が東西に走っており、また井頭公園の東側では大きな調節池の計画もあります。みどりの保全とは異質な要素をはらむこうした計画の取り扱いも含め、公園整備の過程でもしっかりとした議論が必要になってくるでしょう。地域の皆さんの発意、提案、意見を大いに出して頂きたいものです。
(以下の質疑記録は事務局作成のものですが、正式な議事録ではありません)

池尻委員 東大泉七丁目、白子川源流に当たる区立井頭公園の東側に井頭憩いの森、井頭こぶし憩いの森があります。昨年、この二つの憩いの森を土地開発公社が購入したと聞いております。購入目的と経過を簡単にお答えください。
道路公園課長 区長が就任されて以来、良好な樹林地など、現在に受け継がれた貴重な緑を未来につなぐことを大きな方針としてございます。これに従い、保全の努力をしてきているところでございます。
 当該地は、長年にわたり、区民に親しまれてきた良好な樹林地や原っぱから成る緑豊かな空間であることから、平成27年8月、相続に伴い、区へ用地を売りたいと申し出がございましたので、平成28年6月に練馬区土地開発公社により取得したものでございます。
池尻成二委員 隣接する民間あそび場、こぶし広場も含めて、購入されたのは約5,900㎡、金額にして15億円ほどと聞いております。練馬のみどりの保全という点は大変大きな決断をされたと評価したいと思います。今回、新たに購入された分は、既に区立の緑地として整備されている井頭の森緑地と一体のものとして整備するという方向と聞いております。
 全体で恐らく1ヘクタールに届こうかという大きな緑地、樹林地が公の緑として整備されていくことになります。当該地の西100mほどのところには白子川の源流を含む井頭公園があります。ここも都の優先整備区域に指定されておりまして、今後、大幅な拡張が予定されております。この一帯はまさに練馬の緑の拠点となっていく可能性を秘めていると感じます。
 白子川源流一帯を含む広域的、面的な視点で、民間あそび場の運営にかかわっている区民を初め、地域の皆さんと協働で、ぜひ、魅力的な緑保全のプランを練り上げていっていただきたいと思いますが、整備に向けた今後の見通しとあわせ、考えをお聞かせください。
道路公園課長 現在、取得したこの土地につきましては、先ほど述べた方針に従い、緑の保全を進めてまいります。今後、都市計画をかけ、都市計画区域全体を優先整備区域に追加してまいります。整備内容につきましては、既存の緑を生かし、さらに良好な緑地としていくことを基本としますが、地域の皆さんのご意見もいただきながら計画してまいります。

by ikejiriseiji | 2017-03-16 13:26 | 緑・まちづくり | Comments(0)
石神井公園駅南口西地区再開発計画について区が議会に提出した資料の中に、建築計画概要という図面があります。2月7日のこのブログで紹介した図面です。その中の2階平面図に、神社の絵がかいてあります。
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この神社については、所管の課長が口頭でこんな説明もしています。
「現在の大鷲神社に関しましては、2階レベルに人工地盤を敷き、その上に社殿を再建いたします。神社境内には、駅側からも232号線側からもアプローチできるように、検討中でございます。」
大鷲(おおとり)神社は、社殿とその敷地の大半が都市計画道路232号線の道路区域の中にあります。道路を整備することになった場合、大鷲神社をどうするのか。この問題は、南口西地区のまちづくりの中で実はたいへん大きな課題の一つでした。そして、神社の土地などに権利を有する宮司や氏子さんたちを市街地再開発事業に参加させ、権利変換の仕組みを通して再開発ビルの中に神社を「再建」する――これが、再開発準備組合や区が温めてきたプランです。
しかし、課長のごく簡単な説明を聞いただけでも、疑問がわいてきます。「神社の境内」とは、どこのことを指すのでしょう?2階の空地部分、ここは公開空地でも再開発ビル内の共有空間でもなく、「神社の境内」なのでしょうか?
神社は、社殿だけでは成り立ちません。鳥居があり、境内があってこその神社です。鳥居はどこに立てるのか。境内を占有する権利はどこから生まれるのか?
実は、区議会に「宗教法人・大鷲神社」の名前で「大鷲神社の再興と石神井公園駅南口再活性化のまちづくりに関する陳情書」が提出されています。その理由のところには、こんな記述があります。
「現在検討中の市街地再開発事業が実現されれば…(大鷲神社を)再開発ビルの敷地内に遷座し、都市計画道路232号線に面して鳥居を建て、木々の緑にあふれたオープンスペースに境内地を設けて新社殿を構えることが可能となります。これにより、将来に亘って当地区全体として神社祭礼・酉の市などの行事が盛大に開催することができるようになり、大鷲神社が街の象徴としての役割を担うことが期待されています。」(赤文字は、議会事務局が受理する過程で削除された部分)
陳情代表者は、再開発準備組合に深く関わって来た方です。ここに書かれていることは、準備組合の中で語られてきたことなのでしょう。しかし、これを読むと、ますます疑念・懸念が広がります。鳥居を建てる場所は、どこなのでしょう。道路区域や公開空地に鳥居を建てる、などということになるのでしょうか。「オープンスペースに境内地を設ける」とありますが、公開空地を神社の占用区画とすることは可能なのでしょうか?
「政教分離」という、憲法上の大原則があります。区や都が許可・認可をし、財政的にも少なからず関与するであろう公的な事業において、「神社の再興」を大きな目的として掲げ、それどころか神社のために様々な便宜を与えるとすれば、それは政教分離に触れるものではないでしょうか。3フロアも床を買うつもりでいる練馬区は、共有部分の最大の区分所有者になるはずです。区が、区の所有部分を宗教法人の宗教施設・宗教活動のために占有することを認めるとしたら、それは政教分離に触れるものとはならないのでしょうか。

大鷲神社の存続・再建を願う地域の声は、大切にしたいと思います。しかし、物事には、ルールと節度というものがあります。もし万一、政教分離に触れるような形で再開発事業が検討されているとしたら、それは大きな問題です。
もっとも、神社の社殿や鳥居や境内が実際にどうなるのか、その詳細は区の口からは語られていません。宗教法人が出した議会陳情も、まだ審査もされておらず、その内容が公に確認されたわけでもありません。関係者が十分慎重に、また自制をもって対応されることを強く願っています。

by ikejiriseiji | 2017-02-10 10:45 | 緑・まちづくり | Comments(0)
石神井公園駅南口西地区の市街地再開発事業についての投稿を続けます。
1月31日の区議会環境まちづくり委員会に提出された資料を見て、驚きました。石神井庁舎の移設(機能移転)について、極めて具体的に書かれているのです。その部分がこれです。

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石神井庁舎の建て替えが、10年の単位では重要な課題となっていることはその通りです。しかし、ここに書かれていることは、そのはるか先を行っています。
①石神井庁舎内の区民事務所や総合福祉事務所を再開発ビルに移設する
②石神井庁舎の敷地には、周辺施設を統合・再編し、区民が活動できる複合施設とすることを検討する
こんな話、初めて聞きました。石神井庁舎の今後のあり方については、『公共施設総合管理計画(素案)』がはじめて正式に言及しました。
「建築後45年以上経過しており、今後10年程度の間に改築に向けての方向性を定める必要があります。行政機能の維持、区民の利便性、敷地の有効活用、石神井公園駅周辺のまちづくりなど、様々な観点から将来的なあり方を検討します。その際、民間活力を導入する整備手法を含めて検討します。」
しかし、ここに書いてあるのは、「様々な観点から将来的な在り方を検討」するということだけです。福祉事務所や区民事務所を移転するとか、周辺施設を統合・再編するなどということは、どこにも書いてありません。しかも、この『公共施設総合管理計画』はまだ素案です。
委員会での質疑の中では、区側はこんな答弁までしています。まず、課長。
「3階から5階。このスリーフロアには、今回、公益施設といたしまして、区が、石神井庁舎にございます区民事務所や福祉事務所などを移設致しまして、整備する方向で検討中でございます。」
「現在検討中の市街地再開発事業により、駅直近に石神井庁舎内の区民事務所や総合福祉事務所など生活に密着した行政サービスの機能を移転することで、区民の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。」
最後に、都市整備部長も立って答弁しています。
「駅前ということでございますので、区民事務所ですとか福祉事務所等々、比較的区民の方が訪れて短期間、例えば申請をしたり書類の交付を受けたりといった場所に使われると便利かなと思ってございます。一方で、石神井庁舎の方でございますけれども、駅からは若干離れているということもあって、こちらについては、庁舎に残る機能、周辺の公共施設も一定程度老朽化してくるということもありますので、そういったものを石神井庁舎のところに集約をして整備をしていければと思っています。」
いやあ、具体的で生々しい…。しかし、少なくとも、これまで公けに語られ積み上げられてきた議論からはあまりに飛躍した内容です。そもそも、福祉事務所の所管は福祉部。区民事務所の所管は、区民部。そして、石神井庁舎の建物は総務部の管轄です。それぞれの所管部は、この生々しい話を了解しているのでしょうか?
決まったわけではない、たたき台だとか、方向性だとか、いろいろ言い訳をしようともしていますが、だれが、どこで、ここまで具体的に方向性やたたき台を固めたのか、区はきちんと説明すべきです。「検討中でございます」と課長は言っていますが、どこで、だれと検討しているんでしょう。
所管部や所管の議会委員会で全く言及も報告もされていない話、区の行政計画の中でも全くオーソライズされていない話が、所管外のまちづくり担当の口から「考えております」「思っています」という形で飛び出してくる。しかも、議会という公の場で、飛び出してくる。議会のルール、行政の事務の責任分担という点では、極めて異例なことです。とにかく、いろんな話を盛り込んで、再開発に対する合意を取り付けようと焦っている。私には、そう感じられてなりません。そうまでして再開発を後押しするのは、なぜでしょう?? 
しかし、この委員会報告への疑念は、まだまだあります。(続く)


by ikejiriseiji | 2017-02-09 20:31 | 緑・まちづくり | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


by ikejiriseiji
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