間が空いてしまいました。「学校司書」に関する投稿の続きです。
3月の区議会予算特別委員会で、「学校司書」について質疑をしました。この問題はこれまでも何回も取り上げ、その都度、直接雇用の学校司書の配置を強く求めてきたのですが、今回は一つの節目というべき質疑になりました。まずは、教育指導課長とのやり取りの柱となる部分を抜粋して紹介します。

◆池尻成二委員 236ページの3、学力向上推進経費、学校図書館の人的配置について伺います。…
 まず、今年度、図書館管理員は全部で25人いらっしゃるそうですけれども、この中で図書館司書の資格を持っていらっしゃる方が何人おられるか教えてください。
◎教育指導課長 25人中3人でございます。
◆池尻成二委員 25人の図書館管理員がいらっしゃって、司書資格の保有者は3人と少し寂しい数字で、私も資料をいただいて驚きました。
 2006年の管理員事業開始以来、実は指名競争入札、つまり価格競争による業者選定が続いているわけですけれども、その中でずっと同じ会社が受注されております。
 22校が配置になった以降で見まして、2012年度の契約金額が1,985万2,000円。実はその後、毎年下がっておりまして、今年度は1,848万円と100万円以上も安くなっております。競争入札ですから、当然価格競争が厳しいのでしょうけれども、こういう中で働く方、管理員の待遇はどうなのだろうと大変気になるわけです。
 ちょうど昨日、新聞の折り込みが入っておりまして、その中でこの事業者が図書館管理員の求人を出しておりました。それを見ますと、時給が940円からです。今、東京都の最低賃金が932円ですから、最低賃金ぎりぎりで求人をかけていらっしゃる。
 これで一体、有資格者が幾らかでも安定的に確保できるのか。あるいは、これで質の高い事業が可能かという疑問を強く抱くわけです。
 委託仕様書をいただきました。その中で、この委託業務、管理員の業務の一つとして、調べ学習等に対する支援という業務が入っております。
 この業務はいつから委託仕様に入ったのかを教えていただけますか。
◎教育指導課長 今、私も来年度向けの仕様書を見ておりますけれども、今のご質問については、手元に資料がありません。後ほど個別によろしくお願いします。
◆池尻成二委員 私も毎年の委託仕様書を持っていないのですが、少なくとも5年前には、この調べ学習等に対する支援はなかったのです。その後にどこかで入っている。
 この調べ学習等に対する支援は、実は学校図書館の支援としては中核的な業務だと思います。非常に大事な業務だけれども、他方で高く専門性が求められる業務でもあります。この調べ学習等に対する支援を、有資格者がほとんどいない状況で十分に担っていけるのでしょうか。
 もともと業務委託の場合については、偽装請負にならないためということで、教員との直接の共同作業は非常に難しいという状況もあります。今後、学校図書館業務をしっかりと担うためには、競争入札、資格要件なし、業務請負という今の管理員のあり方ではまずいのではないかと、今、私は強く感じております。
 昨年、学校図書館法に基づく学校司書の位置づけについて、文科省で考え方を整理しました。
 最終的に学校司書については、学校設置者が雇用する職員でなければならないという形で考え方を整理しております。
 お考えをお聞きしたいのですけれども、学校教育の支援に欠かせない専門性をしっかりと確保するという点で、まず、この図書館管理員の部分からでも直接雇用の学校司書、法に基づく学校司書に移行していくとお考えになったらどうかと思います。認識をお聞かせください。
◎教育指導課長 まず、1点目。調べ学習の支援につきましては、今、管理員が20校以上配置されております。その学校からの話を聞きますと、管理員の方から選書についてのアドバイスを受ける、あるいは、子どもたちの相談を受けるといったことで、大変ありがたいという声を聞いてございます。
 確かに専門性が高いに越したことはありませんけれども、管理員につきましても、学校の中で一定程度役割を果たしていると考えております。
 また、今後の図書館支援につきましては、多くの会派からご要望をいただいております。アクションプランに基づきまして、図書館支援員または図書館管理員の全校配置が来年度可能となる見通しであります。
 教育委員会としては、このことを学校図書館支援の第一弾と捉えて、次の充実策については、学校図書館運営のガイドラインの趣旨も踏まえて、今後検討してまいります。
◆池尻成二委員 全校配置をなさったことは、私は大きな意義があると評価させていただきたいと思います。
 加えて、現在の管理員の方でも、各学校によって貴重な人材としてお仕事していただいている面があることも否定いたしません。
 ただ、ガイドラインも含めて、学校図書館における司書のあり方については、かなり幅広い課題と期待が語られております。そういう点も含めて、今の教育指導課長のご答弁をしっかりと受けとめましたので、今後、ぜひ学校図書館に対する人の配置のあり方については検討していただきたい。これはお願いしておきたいと思います。

# by ikejiriseiji | 2017-05-01 22:47 | 教育 | Comments(0)

ドイツを訪ねて

昨日23日、ドイツから帰国しました。1週間の旅。日程の調整がかなわず20日の区議会健康福祉委員会が欠席となったのは申し訳ないことでしたが、いろんなことを感じ考えさせられる旅となりました。
参加したのは、『ドイツ国際平和村ツアー』。企画はカタログハウス。国際平和村は、世界の紛争地帯から傷ついた子どもたちを一時的に預かり療養とリハビリの場を提供する事業にもう50年も取り組んでいるNGOです。その拠点が、ドイツ・オーバーハウゼンにあります。そこを訪ね、視察と交流をするというのが企画前半の柱。後半はベルリンに移動し、ザクセンハウゼンの強制収容所やポツダム宮殿など近現代史の跡をたどります。
国際平和村については、また機会を見つけてご報告したいと思いますが、歴史と落ち着きを感じさせる街並み、ドイツの人たちの気風、ヘビーでシンプルなドイツ料理と、新鮮な時間でした。とりあえずいくつかアルバム風に…。関係者の皆さまには、いろいろとお世話になりました。

オーバーハウゼンの素敵な街並み。統一感と落ち着いた色合い、新緑に青空!
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交差点に建てられたSPD(ドイツ社会民主党)の大きな看板。政治もまた日常の風景の中に?

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ザクセンハウゼン強制収容所跡に残された当時の建物

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保存されているベルリンの壁の前で。現代史そのもの

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早朝、ひとりで訪ねたローザ・ルクセンブルグ広場の「民衆ステージ」

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# by ikejiriseiji | 2017-04-24 16:19 | 平和・国際交流 | Comments(3)
学校図書館に「学校司書」を。繰り返し繰り返し、議会で訴えてきたテーマです。3月の予算審査の際も、改めて取り上げました。
学校図書館は、学校図書館法という法律で設置を義務付けられている学校の設備です。日常的には「図書室」と言われ、古いままの資料や整理されていない本があったり、あるいは図書委員活動で出入りしたり、そんな記憶とともに思い出す人も多いと思います。その学校図書館の充実や活用についての議論が、少しずつですが、進んできました。1997年、司書教諭という、学校図書館を担当する教員を置くことが義務付けられます(11学級以下の学校を除く)。しかし、司書教諭は兼務でよいとされたこともあり、実際には学校図書館の管理や運営にかかわる専任のスタッフの確保は遅々として進まないままになっていました。
そうした中、2015年、学校図書館法の改正で「学校司書」が法律上、位置づけられます。

第六条  学校には、前条第一項の司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員(次項において「学校司書」という。)を置くよう努めなければならない。
2  国及び地方公共団体は、学校司書の資質の向上を図るため、研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

学校司書は、身分上、職務上、どうあるべきか。学校図書館の機能の充実や活用のために、学校司書にはどのような役割が期待されるのか。検討を続けてきた文部科学省の会議(学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議)が昨年10月、報告書を取りまとめ、11月には、文科省自身がガイドラインを発出します。いよいよ、各自治体での動きです。

     ➡学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議報告書はこちら
     ➡学校図書館ガイドラインはこちら

練馬区は、この間、学校図書館のための人的な配置として、地域の公共図書館から派遣される「学校図書館支援員」と教育委員会が委託契約で配置する「学校図書館管理員」の2つの仕組みを併用してきました。そして、教育委員会は、この二つの仕組みを「支援員」に一本化し全校に配置することを、これまで大きな目標として明言してきました。
今年度、その全校配置がようやく実現します。ただし、「支援員」への一本化はできませんでした。72校には、区立図書館から「支援員」。残り27校が「管理員」です。なぜ一本化できなかったかはいろいろな理由があるのですが、とにかく、どの学校図書館にも人はいることになった。週2日に限ってのこととはいえ、大切な前進です。しかし、国の動きが進む中、解決されていない基本的な問題が残されてしまいました。そもそも、「支援員」や「管理員」は、法律が配置を求める学校司書に該当するのか? ということです。
これまで、私が繰り返しこの問題を問うてきた際、教育委員会は「支援員」や「管理員」も学校司書に相当すると答弁してきました。しかし、文部科学省は、上記の報告書において「学校司書は直接雇用の職員である」と明言するに至り、今、教育委員会も「支援員」や「管理員」では学校司書を配置したことにならないということを認めざるを得なくなっています。

「学校図書館法に規定されている学校司書として想定されている者は、学校設置者が雇用する職員である。学校図書館法では、学校に学校司書を置くよう努めなければならないとされているため、教育委員会は、学校司書として自ら雇用する職員を置くよう努める必要がある。」 (学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議報告書)

そこで問題です。本来の学校司書はどうするのか。法が求める学校司書の配置に、区は取り組まないのか? (続く)

# by ikejiriseiji | 2017-04-13 16:41 | 教育 | Comments(0)
2016年に実施された「みどりの実態調査」結果の速報が、先日の区議会環境まちづくり委員会で報告されました。この実態調査は、<みどりを愛し守りはぐくむ条例>が区に義務付けているもので、5年に1回のペースで行われています。
速報ではごく総括的な数字しか公表されていませんが、練馬の緑は、確実に――しかも、ピッチを上げて減り続けています。練馬区の総面積は4,816ha。そのうち「緑被地」、つまり緑に覆われた部分は1,160ha。緑被率は24.1%でした。5年前は25.4%、この5年間で1.3%の減少です。その前の5年間の減少は0.7%でした。練馬の緑は、減少が止まらないばかりか、速度を上げて減り続けています。重い数字です。

緑の内訳は、グラフのようになっています。練馬の緑の特徴は、よく知られるように、民有地の緑が圧倒的に大きなウェイトを占めていることです。失うは易く、守り残すは難し。区政と区民を挙げて、緑を大切にする意志と方針を持ち得ているか。実態調査のきびしい結果は、あらためてこの問いを突き付けています。
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# by ikejiriseiji | 2017-04-06 22:40 | 緑・まちづくり | Comments(0)

「教育勅語」答弁書

政府が教育現場で「教育勅語」の利用を認める閣議決定をしたという報道を受け、議論が広がっています。時代が時代だけに、また安倍政権の政治的思想的な傾向を考えれば、たいへん気になる報道です。ただ、この「決定」そのものをなかなか確認できずにいたのですが、ようやく入手することができました。
もともとは、民進党の初鹿衆議院議員が提出した質問主意書に対する答弁書です。したがって、何を、どう聞かれたのか。まずはここをきちんと確認することが必要です。質問主意書については、すでにその全文が衆議院のホームぺージ上で公開されています。


「教育勅語の本文をそのまま教育に用いることは憲法上認められない」「教育勅語本文を学校教育で使用することを禁止すべき」という立場から質問をしています。私見をはさめば、あまりよい聞き方とは思えないのですが、いずれにしても、問題の「閣議決定」がこうした質問に対する答弁としてなされたものであることは押さえておいた方が良いと感じます。
以下、質問と答弁を採録します。(青字が質問、赤字が答弁)

一 衆議院の排除決議において、教育勅語の根本理念が「主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる」として、この排除と指導原理的性格を認めないことが宣言されています。政府は教育勅語の根本理念が「主権在君」並びに「神話的国体観」に基づいているという決議の考えを現在も踏襲しているのでしょうか。

一について お尋ねの「決議の考えを現在も踏襲している」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「教育勅語等排除に関する決議」は、「教育勅語…その他の教育に関する諸詔勅…の根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる。よって憲法第九十八条の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めない」ことを宣言したと承知しているが、教育に関する勅語については、昭和二十三年六月十九日の衆議院本会議において、森戸文部大臣(当時)が「教育勅語その他の詔勅に対しましては、教育上の指導原理たる性格を否定してきたのであります。このことは、新憲法の制定、それに基く教育基本法並びに学校教育法の制定によって、法制上明確にされました」と答弁しているとおりであると考えている。

二 松野博一文部科学大臣は、記者会見において「憲法や教育基本法に反しないように配慮して授業に活用するということは、これは一義的にはその学校の教育方針、教育内容に関するものでありますし、また、教師の皆さんに一定の裁量が認められる」と発言し、その後の国会質疑でも同様の答弁を繰り返しています。
 衆議院の決議を踏まえれば、教育勅語は「民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ」などの現在でも守るべき徳目が記載されているとはいえ、根本理念が基本的人権を損ない、国際信義に疑点を残すものであり、教育勅語の本文をそのまま教育に用いることは憲法上認められないと考えますが、政府の見解を伺います。

二について お尋ねのような行為が憲法に違反するか否かについては、個別具体的な状況に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

三 衆参の決議を徹底するために、教育勅語本文を学校教育で使用することを禁止すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

三について お尋ねの「禁止」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、学校において、教育に関する勅語を我が国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切であると考えているが、憲法や教育基本法(平成十八年法律第百二十号)等に反しないような形で教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されることではないと考えている。

四 教育勅語について、稲田朋美防衛大臣は「教育勅語の核である、例えば道徳、それから日本が道義国家を目指すべきであるという、その核について、私は変えておりません」「私は、その教育勅語の精神であるところの、日本が道義国家を目指すべきである、そして親孝行ですとか友達を大切にするとか、そういう核の部分ですね、そこは今も大切なものとして維持をしている」「教育勅語に流れているところの核の部分、そこは取り戻すべきだというふうに考えております」と教育勅語に共感する答弁を行っています。
 閣僚が教育勅語に共感、共鳴、賛意を示す事は、衆議院の排除決議で指摘した国際信義に疑点を残すことに繋がると考えますが、政府の見解を伺います。
五 国際社会において信頼される道義国家であるためにも、国際社会に疑点を残す考えを表明している稲田朋美防衛大臣は罷免すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

四及び五について 御指摘の答弁は、稲田防衛大臣が政治家個人としての見解を述べたものであると承如しており、当該答弁に係るお尋ねについては、政府としてお答えする立場にない。
 稲田防衛大臣については、本年三月二十七日の参議院予算委員会において、安倍内閣総理大臣が「今後ともしっかりと職責を全うしてもらいたい」と答弁しているところである。

# by ikejiriseiji | 2017-04-04 21:31 | その他 | Comments(0)
もし0歳から5歳まで一貫して保育を提供する施設、認可保育所や低年齢保育まで担う認定こども園がしっかり整備されれば、そもそも「3歳の壁」は生まれようがありませんでした。しかし、現実には、保育の基盤は年齢や事業体系、保護者のニーズも含めて多様化・複線化しています。とりわけ練馬区の場合、待機児童対策を“効率的”に進めるために0~2歳に特化した小規模保育などに大きく依存してきたため、「3歳の壁」は保育政策、あるいは待機児童対策の大きな課題として浮かび上がってきています。
この「3歳の壁」は、大きくは二つの柱に支えられています。ひとつは、3歳以降の受け皿が適切かつ十分に整備されているかという問題です。この点では、区が盛んに喧伝してきた「練馬こども園」は、入園料をはじめとして様々な限界があります。少なくとも、法に基づく施設である認定こども園にまで移行するよう、区は責任を持って支援と働きかけを進めるべきです。
もう一つの柱は、2歳までの保育と3歳以降の保育の継続性、円滑な移行を保証するシステムの問題です。小規模保育や家庭的保育を利用してきた子どもと保護者は、3歳の春、保育の場を自動的に失います。認証保育所も、多くは2歳までしか受け入れらない、あるいは3歳以降の定員をぐっと絞っている園がほとんどですから、同じです。3歳からの保育の場を探すことは、今はもっぱら保護者の責任と負担とされています。練馬こども園の場合は、そもそも区の調整の土俵にすら乗っていませんから、ますます保護者の負担は大きくなります。
しかし、実は、こうした「3歳の壁」の出現を想定して、国も区も、この壁を低くするための仕掛けを設けてきました。「連携施設」です。小規模保育や家庭的保育の基準を定めた区の条例には、こんな条文があります。

練馬区家庭的保育事業等の設備および運営の基準に関する条例
(保育所等との連携)
第6条 家庭的保育事業者等は、…つぎに掲げる事項に係人る連携協力を行う保育所、幼稚園または認定こども園(以下「連携施設」という。)を適切に確保しなければならない。
(1) 利用乳幼児に集団保育を体験させるための機会の設定、保育の適切な提供に必要な家庭的保育事業者等に対する相談および助言その他の保育の内容に関する支援を行うこと。
(2) 必要に応じて、代替保育(家庭的保育事業所等の職員の病気、休暇等により保育を提供することができない場合に、当該家庭的保育事業者等に代わって提供する保育をいう。)を提供すること。
(3) 当該家庭的保育事業者等により保育の提供を受けていた利用乳幼児を、当該保育の提供の終了に際して、当該利用乳幼児に係る保護者の希望に基づき、引き続き当該連携施設において受け入れて教育または保育を提供すること。

この第6条、とりわけその(3)は、「3歳の壁」を考える際にきわめて重要な条文です。連携施設は、小規模保育等を利用してきた子どものために、①「当該保育の提供の終了に際して」②「保護者の希望に基づき」③「引き続き」保育・教育を行う施設です。もしこうした連携施設が責任をもって確保されていれば、「3歳の壁」は無くなるとは言えないまでもぐっと低くなるはずです。
連携施設を確保することは、条例が定める基準、つまり責務です。しかし、実際には、少なくともこの年度末を迎える時点では連携施設を確保している小規模保育等は一つもありません。
条例が義務付ける連携施設がまったく確保できていない。なぜ、そんなことが許されるのか? それは、条例が附則の中で、一定の条件を満たせば5年間、つまり2020年3月末まで連携施設を確保しなくてもよいという経過措置を置いているからです。連携施設が一つも確保できていない現状は、ぎりぎり条例違反とは言えないのかもしれません。しかし、これだけ「3歳の壁」が深刻になり、これだけ2歳までの保育にウェイトを置いて待機児童対策を進めてきた練馬区が、この経過措置に甘えてよいとはとうてい思えません。
連携施設を早急に、計画的に、責任をもって確保していくこと。これは、個々の事業者だけではなく、むしろ練馬区の大きな責任です。

# by ikejiriseiji | 2017-03-27 19:15 | 子育て | Comments(0)
23日、小金井市議会議員選挙の応援に行ってきました。片山かおるさんと坂井えつ子さん。市民自治こがねいという、歴史ある市民団体に支えられた二人です。片山さんは、2015年の私たちの区議選で応援してくださったし、その後も福島の避難者のことなどでとてもお世話になりました。二人には、なんとしても当選してもらいたい。
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半日、小金井に入って、この人口11万人ほどの自治体のことを少し知ることができました。野川、はけ、国分寺崖線も印象的でしたが、今日は「子ども」のことを。小金井市には、子どもの権利に関する条例があります。
     ➡条例本文はこちら

こうした条例があるだけでもうらやましいけれど、なかなか素敵な条例です。前文には、こう書いてあります。

子どもは、愛情をもって自分のことを考え、接してほしいと願っています。子どもは、成長の過程で間違い誤ることもあります。そんなときも、愛情をもって教え導かれ、見守りはぐくまれることで、自分自身のことを大切に思い、安心して成長することができます。
子どもは、自分の意思を伝え、受け止められることを願っています。どんなに小さい子どもでも、自分の意思を伝えようといろいろな方法で表現しています。それらを真剣に受け止めてくれる相手がいることで、他者の意思を受け止め、思いやるように成長することができます。
子どもは、より良い環境で育ち育てられることを願っています。安心して過ごすことができる相手や時間や空間が保障されることで、経験を成長にいかすことができます。自分の言いたいこと、考えていることを自由に表現できる環境が確保されることで、他者の考えに気付くように成長することができます。
このように、子どもは、愛情をもって育てられることで自分の意思を持ち、それを自由に表現できる環境があることで、他者と共に生活していることに気付きます。そして、他者と共に平和な暮らしを創り出すことが大切に思えるように成長することができます。「愛情」「意思」「環境」は密接に関連し合いながら、おとなへと成長していく子どもを支えているのです。また、「愛情」「意思」「環境」は、おとな、そして社会全体にとっても必要です。
「愛情」「意思」「環境」が尊重され、安心して生き生きと暮らしていくために、そして「愛情」「意思」「環境」を願い求める子どもの権利が保障される社会にしていくために、ここに条例を制定します。

名文、というのとはちょっと違うかもしれないけれど、でも、目線の低い、人の手の(あるいは、心持ちの)ぬくもりが感じられる文章です。一人の市民として、片山さんはこの条例作りに参加していたそうです。彼女の雰囲気、そして小金井の持つやわらかな空気と、どこかで重なって見えます。
もう一つ、見つけました。「いじめのないまち 小金井宣言」です。2012年10月に出されたもの。こんな宣言です。

未来を担う子どもたちが、笑顔とともに元気で、毎日を過ごすことは、みんなの願いです。ここに、「いじめのないまち 小金井」を宣言します。
一 こころをつなぎ「いじめゼロ」をめざします。
一 がまんをしないで相談します、相談させます。
一 ねばりづよく、かけがえのない命を守ります。
一 いじめをしない、させない勇気を持ちます。
小金井市は、学校等、市民の皆さんとも力を合わせ、子どもたちが温かい人間関係を築き、夢と希望を持って健やかに育つことができるように、全力で取り組むことを誓います。

これもまた、なかなかいい。いじめをなくす基本は「心をつなぐ」こと。「温かい人間関係を築く」こと。その通りのはずなのだけれど、「いじめ」に対する取り組みがしばしば強い言葉、規制的な表現、“上から”の目線で語られるのを聞いてきた身からすると、本当に新鮮です。
ちなみに、練馬区と練馬区教育委員会は「いじめ撲滅宣言」に大々的に取り組みました。その基本姿勢は、「いじめは、人間として絶対に許されない人権侵害です」と記されています。撲滅、許されない…こうした言葉や感性にずっと違和感を感じてきた私は、小金井に行って、少しホッとしたのです。
明日の投票日、良い結果を心待ちにしています。

# by ikejiriseiji | 2017-03-25 23:55 | 子育て | Comments(0)
練馬こども園は、前川区長が大々的にアピールしている“練馬独自”の保育事業です。ただ、その内容は、旧来からあった幼稚園の預かり保育事業を拡大したものにとどまります。
練馬こども園の認定の条件は、
①幼稚園教育時間も含めて11時間以上の預かり保育を実施すること
②保育の実施日は年末年始と日曜・祝日を除く毎日とすること。ただし、土曜日、5日間以内の夏季休暇、幼稚園の指定する休園日は保育を行わないことができる
③地域型保育事業や認証保育所に通っていた子どもの受け入れに協力すること
です。こうした条件を満たす場合は、練馬こども園として認定され、また独自の補助金を受けることができます。
あくまで幼稚園の預かり保育ですから、まずは幼稚園に入園することが大前提です。入園時の手続きも、入園後の生活も、原則として各私立幼稚園との直接の契約であり、これまでの私立幼稚園と変わりありません。
そこで、いろいろと課題が出てきます。一つは、入園料です。予算審議の中で、区内にある私立幼稚園40園の入園料を資料として求めました。驚きました。平均は約9万円、最高は何と16万円もします。最低が5万円ですから、ばらつきも大変大きい。40園全部が練馬こども園の認定を受けているわけではありませんが、少なくとも最高16万円の入園料を取っているのは練馬こども園でした。
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10万円を超す入園料を取っている園は17園、ほぼ半分です。10万円、あるいは16万円という入園料を納めなければ幼稚園には入れない。そして、幼稚園に入れなければ、当然ながら、預かり保育も受けられない…入園料、これもまたなかなか大きな「3歳の壁」と言わざるを得ません。しかもこの入園料、例えば最終的に認可保育所に入れたから入園を取りやめたとしても、返金されない場合があるというのですから、驚きです。
保育時間が11時間まででしかないこと、夏季や行事日など、休園の日がいろいろとあることなど、保育の基本サービスの部分でも、練馬こども園と認可保育所などとはまちがいなく格差があります。しかも、練馬こども園は、そもそも区の調整に乗りません。入園選考のルールも基準も、各園が決めます。補助金を付けているのに、区自身も、練馬こども園の情報を公開することに決して積極的ではありません。こうしたことも含め、練馬こども園は「3歳の壁」対策としては大きな限界、課題を抱えています。
もし、幼稚園が法律に基づく正式な認定こども園になれば、原則として入園料の徴収はなくなります。他の保育施設・事業と一緒に、区が調整します。利用の判定基準も明確です。練馬こども園が認定こども園に移行できれば、「3歳の壁」を低くする大きな一助となるでしょう。予算審議の中では、市民の声ねりまとして、すみやかに認定こども園に移行するよう、幼稚園と区がしっかりと努力していくことを求めました。
※3.22 23:14 一部加筆

# by ikejiriseiji | 2017-03-22 18:08 | 子育て | Comments(0)
「3歳の壁」が、じわじわと、大きく立ちはだかりつつある。そんな危惧を強く感じています。
区内の認可保育所等の一次申込状況で3歳児がかなり厳しい状況にあることは、先にこのブログでも触れました。


その後、ある認証保育所からは、3歳児に申し込んだ全員がだめだったとの報告が入りました。別な小規模保育事業所からは、次の居場所を探していた3歳児がやはり“全滅”だと。一次申込の時点ですから、まだまだ動きはあるかもしれません。しかし、“3歳の保活”は今、保護者に重くのしかかってきています。

昨年12月1日の文教児童青少年委員会て、子ども家庭部長がこんな答弁をしています。
「私どもとしては、選べる状況をつくるということでございます。とりわけ0、1、2歳に一番欠乏しているところでございますので、認証保育所、小規模保育事業を進めながら、一方で3歳になりましたら、練馬こども園という選択肢も本区ではあるわけでございます。そういうことによって、他団体でいう3歳の壁は、基本的になくなっている状況がございます。」
0~2歳の定員増を集中的に図るということで、この間、練馬区は小規模保育や認証保育所などに重点を置いて保育基盤の整備を進めてきました。そして、「練馬こども園もある。3歳の壁は基本的になくなっている」――区はこう言ってきたのです。本当でしょうか?
私のところに届いている声は、そんな段階ではありません。「区の窓口に行けば、練馬こども園のことを言われる。でも、近くにはない!」「預かり保育といっても、11時間。帰りが間に合わない!」…「3歳の壁」対策としてみたとき、練馬こども園は単純に数が足りているかどうかだけでなく、保育の内容も含め、明らかにミスマッチがあるのです。
練馬こども園は、基本的に、幼稚園です。認定こども園という法律に基づく新しい事業には移行しない、できない。そのかわり旧来の幼稚園の預かり保育をいくらか拡大する。練馬こども園は、こうした事業です。そして、幼稚園である以上、保育所などとは大きく違うルールや約束がいくつもあります。その一つが「入園料」です。 (続く)

# by ikejiriseiji | 2017-03-20 17:56 | 子育て | Comments(0)
昨日、区議会の第1回定例会が終了しました。1ヶ月以上にわたる長丁場。予算審議をはじめとしてたくさんのことを議論し、また、いろんなことがありました。少しずつ報告をしていきます。
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白子川の源流、大泉井頭公園から東に100mほど行ったところに、まとまった樹林と広場があります。区立・井頭の森緑地のほか、二つの憩いの森、そして二つの民間遊び場からなる空間です。武蔵野の緑の原風景を残す、なかなか魅力的な空間です。
これらの憩いの森等は、井頭の森緑地を除いて民有地でしたが、昨年、区が購入することになりました。土地開発公社の先行買いですが、5年以内に区が買い戻し、公園として整備することになります。全体で1ha近い、貴重な縁です。
この件について、予算審議の中で簡単に取り上げました。質疑の記録を貼りつけておきます。都市計画をかけるので、これまでの民有地であったときとはいろいろと違った条件や考え方も入ってくるかもしれません。加えて、この一帯には都市計画道路232号線が東西に走っており、また井頭公園の東側では大きな調節池の計画もあります。みどりの保全とは異質な要素をはらむこうした計画の取り扱いも含め、公園整備の過程でもしっかりとした議論が必要になってくるでしょう。地域の皆さんの発意、提案、意見を大いに出して頂きたいものです。
(以下の質疑記録は事務局作成のものですが、正式な議事録ではありません)

池尻委員 東大泉七丁目、白子川源流に当たる区立井頭公園の東側に井頭憩いの森、井頭こぶし憩いの森があります。昨年、この二つの憩いの森を土地開発公社が購入したと聞いております。購入目的と経過を簡単にお答えください。
道路公園課長 区長が就任されて以来、良好な樹林地など、現在に受け継がれた貴重な緑を未来につなぐことを大きな方針としてございます。これに従い、保全の努力をしてきているところでございます。
 当該地は、長年にわたり、区民に親しまれてきた良好な樹林地や原っぱから成る緑豊かな空間であることから、平成27年8月、相続に伴い、区へ用地を売りたいと申し出がございましたので、平成28年6月に練馬区土地開発公社により取得したものでございます。
池尻成二委員 隣接する民間あそび場、こぶし広場も含めて、購入されたのは約5,900㎡、金額にして15億円ほどと聞いております。練馬のみどりの保全という点は大変大きな決断をされたと評価したいと思います。今回、新たに購入された分は、既に区立の緑地として整備されている井頭の森緑地と一体のものとして整備するという方向と聞いております。
 全体で恐らく1ヘクタールに届こうかという大きな緑地、樹林地が公の緑として整備されていくことになります。当該地の西100mほどのところには白子川の源流を含む井頭公園があります。ここも都の優先整備区域に指定されておりまして、今後、大幅な拡張が予定されております。この一帯はまさに練馬の緑の拠点となっていく可能性を秘めていると感じます。
 白子川源流一帯を含む広域的、面的な視点で、民間あそび場の運営にかかわっている区民を初め、地域の皆さんと協働で、ぜひ、魅力的な緑保全のプランを練り上げていっていただきたいと思いますが、整備に向けた今後の見通しとあわせ、考えをお聞かせください。
道路公園課長 現在、取得したこの土地につきましては、先ほど述べた方針に従い、緑の保全を進めてまいります。今後、都市計画をかけ、都市計画区域全体を優先整備区域に追加してまいります。整備内容につきましては、既存の緑を生かし、さらに良好な緑地としていくことを基本としますが、地域の皆さんのご意見もいただきながら計画してまいります。

# by ikejiriseiji | 2017-03-16 13:26 | 緑・まちづくり | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


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