前川練馬区長が、かつて都の知事本部(局)長であったとき、豊洲移転問題の中でどんな役割を果たしたのか。石原元知事が記者会見で名指ししたこともあって、注目が集まっています。
この問題での前川さんの反論は、こんな内容です。

知事本局は、都庁内の複数局が関わるさまざまな案件についての調整機能を有していますが、各事業局の実務や決定に立ち入る権限は有しておりません。豊洲の土地売買や土壌汚染の処理に関わる具体的な権限を有するのは、中央卸売市場長と環境局長です。知事本局長には、実務的な処理の権限はありませんし、実際にも、土地売買や土壌汚染の処理についても具体的には一切関与しておりません。知事本局の部課長も、その調整という範囲内での会議に出席したものです。
          (2017年2月13日 練馬区議会本会議での発言)

また、昨年9月に東京都総務局がマスコミの問い合わせに対して出した「回答」から、こうした文章を引用しています。

前川氏は、在職中、東京ガス株式会社に対する行政上の権限を有する業務に従事しておらず、市場移転に係る豊洲地区開発についても、知事本局は事業執行の所管局ではなく、行政上の権限を有していないため、東京ガスは、『在職中の職務に関連するもの』に当たりません。
          (たとえば前川あきおオフィシャルホームページ)

知事本部は2002年に発足し、2004年に局に格上げされています。この知事本部(局)は、あくまで「調整機能」を持つだけであって、実務的な処理権限、行政上の権限を持っていなかった――これが、前川さんの主張です。
確かに、知事本部(局)は具体的な事業を執行・担当する「事業所管局」ではありませんから、その意味では、実際的な行政上の権限、たとえば処分を行うとか、具体的な契約を交わすとか、そうした権限はほとんど持っていなかったかもしれません。しかし、そのことと、都の意思形成、意思決定の中で大きな役割を果たしたかどうかとは全く別なことです。誰もすぐにわかるように、意思の形成・決定は、最終的な権限の行使に先立って、様々な過程を経て進んでいきます。そして、どのような意思が形成され決定されたかが、最後の事業所管の権限行使の前提、条件になることは、行政の世界ではごくごく日常的にあることです。とりわけ、豊洲の問題のように、知事・副知事のトップダウンで動いてきたテーマ、かつ全庁的な対応が不可欠なテーマにあっては、この調整機能こそ決定的な役割を果たしたというべきです。

知事本部(局)の役割、機能、権限を、当の前川さんがどのように語ってきたか。都議会の会議録からいくつか拾ってみました。まず、2004年2月23日、組織改正で局に格上げされた時の前川本局長の発言です。

 知事本部は、都の行財政の基本的な総合調整及び計画、都市外交、報道に関する事務などを所管いたしております。とりわけ、各局との連携を強化し、全庁的な視点に立った調整を行うことが、知事本部の重要な機能であり、各局の事業について必要に応じ、横断的、総合的な調整を行い、都政の方向づけを行っております。
 こうした知事本部本来の役割を一層明確にするため、四月一日付で組織名称を知事本部から知事本局へ変更することとし、そのための組織条例改正案を本定例会にご提案させていただいております。
 また、知事本部が行う総合調整及び計画の中心的な取り組みの一つとして、重要施策及び重点事業の策定を行っております。重点事業は、原則として事業の所管局において予算化しておりますが、まちづくりや治安対策につきましては、新たな視点から事業を構築するため、知事本部においても予算を計上しております。今後、関係各局と調整、連携をとりながら事業を実施してまいります。

続いて、同じ年の10月13日、前川局長自ら局の事業の概要を説明したものです。

◯前川知事本局長 初めに…平成15年度における知事本部の事業概要についてご説明申し上げます。
第一に、都の施策・事業に関する全庁的な企画調整のうち、重要施策及び重点事業の策定についてでございます。
重要施策とは、都政の取り組みの方向を戦略的に示すため、網羅的にではなく、ポイントとなる政策課題を重点的に取り上げ、その解決に向けて、都庁全体で、横断的、総合的に取り組むこととしたものでございます。この戦略的な取り組みを推進するために実施すべき優先度の高い事業を重点事業として選定しております。
次に、各局事業の総合調整でございます。
知事本局は、都の行財政の基本的な計画及び総合調整を所管する立場から、全庁的な視点で各局の事務事業を横断的、総合的に調整し、都政の行政施策の全体的な方向づけを行っております。
次に、行政評価等の実施についてでございます。
都の施策や事業につきましては、不断の検証が必要となりますので、事務事業の必要性や達成度等を総合的に評価いたしております。
第二は、政策の企画・立案でございます。
知事の特命に係る重要な施策の企画、立案、調査及び連絡調整を行っております。また、顧問、参与に関する事務を所管しております。

そのほか、都市外交の推進、政府・近隣自治体との連携、米軍基地対策、首都移転、自治制度改革…と、前川局長が挙げる事業は極めて枢要・広範なものです。
こうした説明を聞けば、知事本部(局)の機能、権限が、少なくとも都の意思形成・決定という側面から見れば、極めて大きなものであったことは明らかです。豊洲移転にかかわる実務的な権限、たとえば土地の売買契約や環境対策の認定などの具体的で直接的な権限を有していないからと言って、豊洲移転や土壌対策に係る都としての方針、施策、評価に関わっていないということには決してならないのです。

前川さんは、意図してかどうかはともかく、ここでは明らかに問題のすり替えをしています。知事本部(局)が与えられた強大な権限を踏まえれば、豊洲移転に関わる大きな意思決定の過程で本部(局)長であった前川さんが負うべき責任は決して小さくないはずです。
前川区長は、昨年11月、本会議での私の質問に対してこう言い放ちました。
「前川区長が『豊洲の土地購入条件に関する東京ガスとの協議に関与してきた』とか、『豊洲移転に深く関わった都側の当事者の一人』というお話は、全くの事実誤認であります。」
みずからの関与がどのようなものであったかは、前川さん自身が語るべきことですが、少なくとも「深く関わった当事者の一人」ですらないなどという強弁は、おやめになった方がいい。私は、そう思います。

# by ikejiriseiji | 2017-03-06 23:37 | その他 | Comments(0)
3日の石原元知事の記者会見で、前川区長(元・東京都知事本局長)の名前が飛び出しました。
―以下、産経新聞のWebページより―

(司会) 私から最後に。石原さんは「私が全部しゃべると困る人がいる」というせりふがありましたね。誰が困るんですか。
「私はやっぱり、浜渦君の後継者でね、実際の契約を結んだ人物がいます。この人も転職もせずにいきなり東京ガスの執行役員に転出しましてね。都庁の中でも評判になったようですけれど。」
(司会) いま築地で働いている方に言いたいことは何か。当時の知事本局にいた前川氏という方を、都議会なり、知事が呼んで話を聞けば、交渉の経緯が分かるとお考えか。
「そうですね。前川さんという(東京ガスの)執行役員にも転向した方ですし、浜渦君の後、交渉に携わった方ですし、その人が一番、物事に精通しているのではないでしょうか。」

これを受けて、昨日3日の夕方、前川区長は緊急の記者会見を開きました。その様子も、各テレビ局や新聞が大小報じているところです。前川区長が当時、どのような役割を果たしたのか。その詳細や真偽はまだわかりませんが、しかし、一つだけはっきりしたことがあります。それは、前川区長が、当時の経過や自身の関与について自ら説明する責任を負ったということです。
区長は、昨年11月、私が一般質問でこの問題を聞いた時、本当に嫌な顔をしました――正確に言うと、副区長の口を通して、聞かれること自体が不本意だと言わせました。しかし、もうこうした対応は通用しないでしょう。

2016年第4回定例会の一般質問とその答弁については、区議会の会議録(こちら)で確認できます。また、このブログの以下の記事もご覧ください。

# by ikejiriseiji | 2017-03-04 19:49 | その他 | Comments(0)
今年4月入園分の保育所申込状況について書いた記事に、こんなコメントをいただきました。
「上京して10年、練馬区に住んでいます。
しかし待機児童の問題を考え、結婚を機に他の区へ引っ越す事にしました。
今の20代30代はお金がないのに、産め、働け、もっと消費しろ、でも将来の年金は当てにしないで貯金しろ、と言われてとても辛いです。
税金を沢山払っているのに、恩恵がなく、ただ、搾取されている感じがします。
石神井川沿いに住んでいます。毎年桜が綺麗で、今年の桜を前に離れるのはとてもさみしいです。
私たち若い者も住みやすい待ち作りをして欲しいです。
お返事はなくて構いません。」
とてもつらいです。「子育てしやすいまち№1」になった!などと浮かれている時ではありません。

待機児童問題、この春もまた、深刻な様相を呈しつつあります。いや、新しい広がりを見せていると言えるかもしれません。その象徴が「3歳の壁」の問題です。練馬区の待機児童対策は、0~2歳に集中的に保育の受け皿を作ること、具体的には0~2歳を対象とした小規模保育事業等の重点的な整備に加え、認可保育所についても、0~5歳ではなく0~2歳のみの定員設定で整備することが目立っています。練馬区の0~2歳児シフトは、他の自治体に比べてもさらに目立って見えます。
しかし、0~2際に特化した保育事業が増えれば増えるほど、新たな問題が鋭く浮かび上がってきます。「3歳の壁」です。この問題を考える糸口として、この4月入園分の3歳児の申込状況をまとめてみました。
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3歳児は、募集枠287に対して申込数は545。単純計算で、倍率は1.9倍にもなります。数字だけで見ると、0~2歳よりかえって厳しいとさえいえる数字です。この「壁」をどうやって“乗り越える”のか。区は、何をどこまで用意できているのか。実態に即して検証することが、今、大きな課題になっています。

# by ikejiriseiji | 2017-02-23 14:58 | 子育て | Comments(0)
区議会に、「受動喫煙」防止対策に関する陳情が4件、出ています。私が所属する健康福祉委員会に付託されているのですが、14日の委員会で、その審査がありました。
その中で出された資料に、主要国の受動喫煙防止法の施行状況(2012年時点)についての表がありました。これです。
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出典は、厚生労働省が管理するネットサイト・e-ヘルスネットのこちらです。
これを見ると、日本の「受動喫煙」対策がいかに遅れているか、一目瞭然です。日本では、受動喫煙対策それ自体を対象とした法はなく、ほとんど唯一、健康増進法の条文を頼りに進められてきました。

健康増進法 第25条  
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

しかし、読んでの通り、ここでの受動喫煙対策はあくまで努力義務であり、対象となる施設も、防止の方法も限られたものにとどまっています。これではまずかろう、とくにオリンピック等を開催するのであればなおさらだ――こんなところから国が受動喫煙防止のための法制定に動き出しました。昨年10月には厚生労働省が「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」(こちら)を公表し、開会中の通常国会で法案提出かとも言われています。
法案提出の動きを受けて、各自治体でも、条例制定の機運が広がっています。区議会への陳情は、こうした国の動きに触発されたもののようです。いずれも、条例制定による義務的な規制を巡って賛否それぞれから議会としての判断を求めるものです。
実は、練馬区は、かつて条例制定の直前にまで行ったことがあります。2009年9月の本会議で、当時の事業本部長がこんな答弁までしているのです。

◎健康福祉事業本部長
はじめに、受動喫煙防止に関する条例化についてであります。
今回提出しております歩行喫煙等の防止に関する条例が、安全で快適な歩行空間の確保を図り、暮らしやすい地域社会を目指すことを目的としているのに対しまして、区民等の健康への悪影響を未然に防止することを目的として、公共的な施設内における受動喫煙防止に関する条例について現在検討しているところであり、今後しかるべき時期に条例を提案してまいりたいと考えております。

「条例提案をしてまいりたい」。ここまで答弁したものが消えてしまったのは、異例なことです。受動喫煙防止のための条例整備に対する利害関係者の抵抗がいかに強いか、当時、議会にいてひしひしと感じたことを覚えています。
さて、それから10年近く。国が法規制に動く中で区はどうするのか。法の内容もまだ不透明であり、条例については必要性も含め検討すべきことが多々ありそうではありますが、いずれにしても、受動喫煙防止対策は待ったなし。特に、労働者の安全衛生の視点からの議論はぜひ深めたいところです。法や条例の整備も含め、しっかりと踏み込むべきところに来ています。

# by ikejiriseiji | 2017-02-16 18:10 | 健康・医療 | Comments(0)
今年4月の保育所等利用申し込みの状況(一次分)が、公表されました。

細かい数字が並ぶ資料です。総括的な表を作ってみました。0-2歳について、募集枠と申込みの状況をまとめたものです。過去3年分も並べてみました。

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募集枠は、この1年でかなり増えました。しかし、申込数もさらに増え、単純計算で1,000人以上が枠を超過、倍率はほとんど改善されていません。
一次申込の結果は、今週末に通知されます。そこから、“保活”の苦しく辛い第二段階が始まります。二次募集枠への応募、認証保育所探し…。しかし、この間、認証保育所から認可への移行でかなりの枠を増やしてきた分、一次で入れなかった子どもたちの受け入れ先となってきた認証保育所の枠は減っている可能性があります。この4月は、昨年度までに比べてもむしろ厳しくなっているかもしれません。
前川区政は、この4月での「待機児解消」を明言してきました。区政の一端に立つ議員の一人として、待機児童を出さないためにできる限りのことをするもりです。ご意見やご相談、お寄せください。

# by ikejiriseiji | 2017-02-14 17:37 | 子育て | Comments(6)
石神井公園駅南口西地区再開発計画について区が議会に提出した資料の中に、建築計画概要という図面があります。2月7日のこのブログで紹介した図面です。その中の2階平面図に、神社の絵がかいてあります。
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この神社については、所管の課長が口頭でこんな説明もしています。
「現在の大鷲神社に関しましては、2階レベルに人工地盤を敷き、その上に社殿を再建いたします。神社境内には、駅側からも232号線側からもアプローチできるように、検討中でございます。」
大鷲(おおとり)神社は、社殿とその敷地の大半が都市計画道路232号線の道路区域の中にあります。道路を整備することになった場合、大鷲神社をどうするのか。この問題は、南口西地区のまちづくりの中で実はたいへん大きな課題の一つでした。そして、神社の土地などに権利を有する宮司や氏子さんたちを市街地再開発事業に参加させ、権利変換の仕組みを通して再開発ビルの中に神社を「再建」する――これが、再開発準備組合や区が温めてきたプランです。
しかし、課長のごく簡単な説明を聞いただけでも、疑問がわいてきます。「神社の境内」とは、どこのことを指すのでしょう?2階の空地部分、ここは公開空地でも再開発ビル内の共有空間でもなく、「神社の境内」なのでしょうか?
神社は、社殿だけでは成り立ちません。鳥居があり、境内があってこその神社です。鳥居はどこに立てるのか。境内を占有する権利はどこから生まれるのか?
実は、区議会に「宗教法人・大鷲神社」の名前で「大鷲神社の再興と石神井公園駅南口再活性化のまちづくりに関する陳情書」が提出されています。その理由のところには、こんな記述があります。
「現在検討中の市街地再開発事業が実現されれば…(大鷲神社を)再開発ビルの敷地内に遷座し、都市計画道路232号線に面して鳥居を建て、木々の緑にあふれたオープンスペースに境内地を設けて新社殿を構えることが可能となります。これにより、将来に亘って当地区全体として神社祭礼・酉の市などの行事が盛大に開催することができるようになり、大鷲神社が街の象徴としての役割を担うことが期待されています。」(赤文字は、議会事務局が受理する過程で削除された部分)
陳情代表者は、再開発準備組合に深く関わって来た方です。ここに書かれていることは、準備組合の中で語られてきたことなのでしょう。しかし、これを読むと、ますます疑念・懸念が広がります。鳥居を建てる場所は、どこなのでしょう。道路区域や公開空地に鳥居を建てる、などということになるのでしょうか。「オープンスペースに境内地を設ける」とありますが、公開空地を神社の占用区画とすることは可能なのでしょうか?
「政教分離」という、憲法上の大原則があります。区や都が許可・認可をし、財政的にも少なからず関与するであろう公的な事業において、「神社の再興」を大きな目的として掲げ、それどころか神社のために様々な便宜を与えるとすれば、それは政教分離に触れるものではないでしょうか。3フロアも床を買うつもりでいる練馬区は、共有部分の最大の区分所有者になるはずです。区が、区の所有部分を宗教法人の宗教施設・宗教活動のために占有することを認めるとしたら、それは政教分離に触れるものとはならないのでしょうか。

大鷲神社の存続・再建を願う地域の声は、大切にしたいと思います。しかし、物事には、ルールと節度というものがあります。もし万一、政教分離に触れるような形で再開発事業が検討されているとしたら、それは大きな問題です。
もっとも、神社の社殿や鳥居や境内が実際にどうなるのか、その詳細は区の口からは語られていません。宗教法人が出した議会陳情も、まだ審査もされておらず、その内容が公に確認されたわけでもありません。関係者が十分慎重に、また自制をもって対応されることを強く願っています。

# by ikejiriseiji | 2017-02-10 10:45 | 緑・まちづくり | Comments(0)
石神井公園駅南口西地区の市街地再開発事業についての投稿を続けます。
1月31日の区議会環境まちづくり委員会に提出された資料を見て、驚きました。石神井庁舎の移設(機能移転)について、極めて具体的に書かれているのです。その部分がこれです。

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石神井庁舎の建て替えが、10年の単位では重要な課題となっていることはその通りです。しかし、ここに書かれていることは、そのはるか先を行っています。
①石神井庁舎内の区民事務所や総合福祉事務所を再開発ビルに移設する
②石神井庁舎の敷地には、周辺施設を統合・再編し、区民が活動できる複合施設とすることを検討する
こんな話、初めて聞きました。石神井庁舎の今後のあり方については、『公共施設総合管理計画(素案)』がはじめて正式に言及しました。
「建築後45年以上経過しており、今後10年程度の間に改築に向けての方向性を定める必要があります。行政機能の維持、区民の利便性、敷地の有効活用、石神井公園駅周辺のまちづくりなど、様々な観点から将来的なあり方を検討します。その際、民間活力を導入する整備手法を含めて検討します。」
しかし、ここに書いてあるのは、「様々な観点から将来的な在り方を検討」するということだけです。福祉事務所や区民事務所を移転するとか、周辺施設を統合・再編するなどということは、どこにも書いてありません。しかも、この『公共施設総合管理計画』はまだ素案です。
委員会での質疑の中では、区側はこんな答弁までしています。まず、課長。
「3階から5階。このスリーフロアには、今回、公益施設といたしまして、区が、石神井庁舎にございます区民事務所や福祉事務所などを移設致しまして、整備する方向で検討中でございます。」
「現在検討中の市街地再開発事業により、駅直近に石神井庁舎内の区民事務所や総合福祉事務所など生活に密着した行政サービスの機能を移転することで、区民の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。」
最後に、都市整備部長も立って答弁しています。
「駅前ということでございますので、区民事務所ですとか福祉事務所等々、比較的区民の方が訪れて短期間、例えば申請をしたり書類の交付を受けたりといった場所に使われると便利かなと思ってございます。一方で、石神井庁舎の方でございますけれども、駅からは若干離れているということもあって、こちらについては、庁舎に残る機能、周辺の公共施設も一定程度老朽化してくるということもありますので、そういったものを石神井庁舎のところに集約をして整備をしていければと思っています。」
いやあ、具体的で生々しい…。しかし、少なくとも、これまで公けに語られ積み上げられてきた議論からはあまりに飛躍した内容です。そもそも、福祉事務所の所管は福祉部。区民事務所の所管は、区民部。そして、石神井庁舎の建物は総務部の管轄です。それぞれの所管部は、この生々しい話を了解しているのでしょうか?
決まったわけではない、たたき台だとか、方向性だとか、いろいろ言い訳をしようともしていますが、だれが、どこで、ここまで具体的に方向性やたたき台を固めたのか、区はきちんと説明すべきです。「検討中でございます」と課長は言っていますが、どこで、だれと検討しているんでしょう。
所管部や所管の議会委員会で全く言及も報告もされていない話、区の行政計画の中でも全くオーソライズされていない話が、所管外のまちづくり担当の口から「考えております」「思っています」という形で飛び出してくる。しかも、議会という公の場で、飛び出してくる。議会のルール、行政の事務の責任分担という点では、極めて異例なことです。とにかく、いろんな話を盛り込んで、再開発に対する合意を取り付けようと焦っている。私には、そう感じられてなりません。そうまでして再開発を後押しするのは、なぜでしょう?? 
しかし、この委員会報告への疑念は、まだまだあります。(続く)


# by ikejiriseiji | 2017-02-09 20:31 | 緑・まちづくり | Comments(0)
石神井公園駅南口の西側の街区をエリアとして「市街地再開発」計画の検討が進められてきたことは、このブログでも何度か触れてきました。都市計画道路補助232号線を駅南口から富士街道まで延ばす事業と一体となった動きです。この再開発事業について、大きな動きがありました。
1月31日の区議会環境まちづくり委員会で、区は「石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業の検討状況について」という資料を提出し、報告を行いました。この報告の中で、再開発計画が「概ねまとまった」として、区と準備組合の共催で「検討状況報告会」を開催すると表明したのです。資料の中には、再開発に関する図面も添えられています(下)。区が調整し、区の責任で出された資料です。
これまで区は、この再開発計画については準備組合が内々に検討している段階であり、区としてその内容について同意したり決定したものではないという説明を繰り返してきました。予定された街区の地権者の中に準備組合への不同意・不参加を強く主張する方が複数いらっしゃることなど、再開発に向けた合意状況が整っていないこともあって、少なくとも公けには、準備組合に調整の努力を促し見守るというスタンスだったのです。
しかし、今回の議会報告は違います。準備組合ではなく、区として、一定の案を提示し、それをもとに「報告会」を開催し、計画案の取りまとめに動こうとしているのです。明らかに、「石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業」を巡る動きは、新しいフェイズ(局面)に入ろうとしています。
しかし、それにしても、この段階、この状況で、区はなぜあえて踏み出そうとしているのか。委員会報告を読み、聞いても、区の拙速さと強引さばかりが浮き彫りになります。(続く)
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# by ikejiriseiji | 2017-02-07 11:02 | 緑・まちづくり | Comments(2)
市民の声ねりまのニュース「いぶき」の号外として、新しいチラシを作りました。テーマは
『小さくても 大切な声がある』
この間、区政の中で、いくつもの小さな「声」が押しつぶされてきました。文字通りの涙や、悔しさや、不信を残しながら。いやいや、違う。小さくても、大切な声がある。大切にしなければならない声がある。選挙に勝ったから、議会の多数を占めているからといって、許されないこと、ないがしろにしてはならない思い、奪ってはならない権利があります。
そんな思いで作ったチラシです。
これから全区に配ります。まず11万枚印刷しました。お宅のポストに入ったら、どうぞお手にとってご覧ください。もし配布できていない地域でしたら、恐縮ですがご一報ください。お届けします。画像を貼っておきますが、ちょっと読みにくいので。
表紙の写真は、築地で撮りました。デザインは全部、スタッフの自前です。このチラシ作り、それから「いぶき」本紙の制作に追われ、ブログの投稿が滞ってしまいましたが、区議会も間もなく開会。さ、また頑張ります!
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# by ikejiriseiji | 2017-02-05 17:13 | 市民の声ねりま | Comments(0)
築地市場の豊洲移転問題が、大きな展開を見せています。これまでは、いわゆる「盛り土」問題に象徴される直近の土壌汚染対策に主要な関心が向けられてきました。しかし、もとはと言えば、土壌汚染の原因者である東京ガスにその応分の責任を取らせることのないまま、豊洲の土地を購入した石原都政下の都の対応が問題であるという指摘は各方面からなされていました。土地購入を違法とし、購入権者である石原元都知事に購入費用相当額を都に返還するよう求める住民訴訟も起こされ、審理が続いています。昨年11月に市民の声ねりまが講師としてお招きした大城聡弁護士は、この住民訴訟の原告側弁護団事務局長でもあります。
そしてとうとう、この土地購入の経緯自体が都政の表舞台で問われることになりそうです。

小池都知事は、20日の記者会見で、「豊洲市場用地売買契約に係る住民訴訟対応方針」を見直すこと、石原都知事の法的な責任も含めて検証していくことを明言しました。知事はこう言っています。
「東京都といたしまして、豊洲の土地購入にかかる当初からの事実関係をまず明らかにしていこう、そして、これまでの住民訴訟への対応を改めて検討し直したいと、このように考えております。
住民訴訟への対応を見直す理由でございますけれども、ここでは、石原慎太郎元都知事の豊洲用地の売買契約についての責任が問われているというのが1点。2番目に、豊洲市場については、用地を選定する件、それから土地購入の契約する、その経過が不透明であり、かつ不適正ではないかとの疑惑も多く指摘されているところでございます。これは住民訴訟の側の考え方です。その事実関係、それをもたらした責任を曖昧にすることなく、明らかにするということは、都政を改革して、緊張感を持って適正な上を行う上で不可欠だという、そういう判断のもとで今回の見直しを東京都として致したいということでございます。」
(記者会見では、住民訴訟の内容、争点についても簡潔に紹介されています。テキストもありますので、ぜひご覧ください。)

この方針転換を受けて、都側の弁護団も一新されます。準備書面も作成し直すことになり、証拠類の開示についても都の対応は一変すると思われます。本当に大きな方針転換です。
原告弁護団は、すでに、石原元知事だけでなく、汚染者負担の枠組みを決めた2002年合意書に都側の責任者の一人として押印している前川・現練馬区長などの証人喚問も含む立証計画を裁判所に提出しているとのことです。こうした原告側の請求に対する都側の方針も、変更されていく可能性が高いでしょう。
豊洲問題の解明の舞台は、住民訴訟の裁判も含め、大きく展開しつつあります。しっかりと見ていきたいものです。

# by ikejiriseiji | 2017-01-23 17:26 | その他 | Comments(0)

練馬区議会議員・池尻成二


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