2010年 05月 06日
「準備委託」 ~平和台保育園 その16~ |
4月20日の健康福祉委員会で、平和台保育園に関する質疑の中で担当課長からこんな発言が飛び出しました。
課長は、短縮をあたかも当然の前提であるかのように、「プログラムの見直し」を口にしました。しかし、たとえば平和台保育園委託事業者の募集要領には、準備委託期間として「平成22年4月1日~平成23年3月31日」と明示したうえで、以下のような記載があります。
しかも、この引継ぎ内容は、たんに応募しようとする事業者に対して応募・契約の前提として示されたというだけでなく、むしろ保護者・区民に対する約束でもあります。
区が保育園の民間委託に乗り出した当初、引継ぎ(「準備委託」)の期間はわずか3ヶ月でした。しかし、光が丘第八保育園での引継ぎをめぐる大きな混乱などを受け、2007年、区は第2次の委託化計画を発表する際にあわせて「区立保育園の運営業務委託検証結果報告書」を公表、その中で引継ぎ期間を見直します。
1年の準備委託が、委託に対する現場や保護者の負担と不安を緩和し解消するために持ち出されてきたことは、いくらかでも経過を知っているものなら知りすぎるくらい知っています。ちなみに、議会で区がなんと説明してきたか、いくつか拾ってみるとこんな具合いです。
これだけの経過と背景を背負って導入され、そして事業者選定の前提として公けに明言されてきた「準備委託=1年」の約束を、いとも簡単に反古にしてよいはずがありりません。
「私どもとしては、通常の準備委託のプログラム、この辺を踏まえますと、4月、5月の内容につきましては、まず、園長候補者の方、あるいは主だった保育スタッフの方々と現在の保育園の園長とのいろいろな引き継ぎ等を行っていくと。それが、毎日ではなく、週1回、週2回という中で、頻繁ということではなく、そういった過程の頻度で行っていくということで、4月5月は通常行っております。この辺につきまして、早い段階で、準備委託に入るということができましたらば、そのプログラムの見直し等も含めまして整理をさせていただきたいというふうに考えてございます。」この答弁で、突如、準備委託期間の短縮が議論の焦点として浮上してしまいました。それにしても、重いテーマを、ずいぶんと軽々しく口にするものだ…
課長は、短縮をあたかも当然の前提であるかのように、「プログラムの見直し」を口にしました。しかし、たとえば平和台保育園委託事業者の募集要領には、準備委託期間として「平成22年4月1日~平成23年3月31日」と明示したうえで、以下のような記載があります。
7 引継ぎ業務(準備委託)これを見れば明らかな通り、4月1日からの引継ぎ(準備委託)は、公募にあたって区が公けにした約束であり条件です。公募にあたってここまで明確かつ具体的に明示した引継ぎ期間を、どうして簡単に短縮できるのか? 短縮の是非についての判断をすっ飛ばして、どうして「プログラムの見直し」に言及できるのか。驚きです。
(1)引継ぎ期間 平成22 年4 月1 日から平成23 年3 月31 日
(2)引継ぎの日程および内容 別紙「引継ぎ概要」を参照すること。
(3)引継ぎ期間中の職員配置
① 園長・主任・クラスリーダー級保育士(各予定者)
平成22 年4 月から週に1回程度段階的に配置し、平成23 年1 月からは、月20日程度配置すること。
② その他の保育士
平成23 年1 月から、保育士を段階的に月20 日程度配置すること。
③ 看護師、栄養士、調理については、平成23 年2 月から月20 日程度配置すること。また、用務については、平成23 年3 月から月20 日程度配置すること。
(引継ぎ概要)
時期 1年前4月→12月
職員配置 園長・主任・クラスリーダー級保育士(各予定者)(週1回程度)(段階的に配置)
引継ぎ内容
・事前打合せ等の随時開催(顔合わせ、引継ぎ計画書、引継ぎスケジュール、内容、職員配置計画、現状報告、事業者紹介の方法など)
・保育園概要の説明と見学(施設の管理など)
・保育園近隣の把握
・指導計画など保育事務書類確認
・日常の保育に入り、園児と慣れ親しむ
・行事の見学
・区の研修(乳児保育研修、障害児保育研修など)への参加
・朝夕保育当番を経験する。
・引継ぎ計画書に基づき確認、仕様書打合せ
しかも、この引継ぎ内容は、たんに応募しようとする事業者に対して応募・契約の前提として示されたというだけでなく、むしろ保護者・区民に対する約束でもあります。
区が保育園の民間委託に乗り出した当初、引継ぎ(「準備委託」)の期間はわずか3ヶ月でした。しかし、光が丘第八保育園での引継ぎをめぐる大きな混乱などを受け、2007年、区は第2次の委託化計画を発表する際にあわせて「区立保育園の運営業務委託検証結果報告書」を公表、その中で引継ぎ期間を見直します。
現在委託している既設園3園および新設園の委託までの流れを検証し、引継ぎ期間に十分な引き継ぎができるよう、以下の通り進めていきます。この見直しを受けて、その後の委託では、すべて4月から準備委託が始まっています。平和台保育園の場合も、4月当初から園長と主任の予定者が週1~2回入り「年間を通しての保育園の様子などの把握」等々の準備に入るということを前提に、手続きが進んできたのです。
(1)準備委託期間は概ね1年間
委託移行までの準備委託期間を概ね1年間設定し、園長予定者や主任予定者などの事業者側の主要な職員が、年間を通しての保育園の様子などの把握に努めます。あわせて合同保育による引継ぎへの準備を進めていきます。
(2)…以下、略…
(2007年6月18日 「区立保育園の民間委託について」)
1年の準備委託が、委託に対する現場や保護者の負担と不安を緩和し解消するために持ち出されてきたことは、いくらかでも経過を知っているものなら知りすぎるくらい知っています。ちなみに、議会で区がなんと説明してきたか、いくつか拾ってみるとこんな具合いです。
引継ぎ期間中の職員の配置という部分では、園長・主任・クラスリーダーの各予定者の方々には、準備委託当初の4月から週に1回程度保育園に来ていただき、お子様の様子、保護者とのやりとり、また年間を通しての行事の様子などを把握していただく中で、1年間かけて準備していただくということで、ここの部分が、今回、委託をスムーズに行うための一番の要かなと考えてございます。(2007.12.11)
保育園の民間委託につきましては、ある日、突然保育士が全員入れかわるといったようなことでお子様方、また保護者の方々のご不安を少しでも解消するため、現在は1年間の準備委託期間を設け、4月から各クラスの翌年担任になる保育士を配置する、リーダー級の保育士を配置することにより、1年間かけてお子様方、また保護者の方々となれ親しみから始まり、顔を覚えていただいたり、その方々の状況を把握する中で最小限の形で進めていくような工夫もしてございます。(08.10.2)
引き継ぎにつきましては、先ほど光八等々のお話がございましたが、その時期は事業者選定がごく直近であった、あるいは準備委託期間が3か月だったということを踏まえまして、また引き継ぎの時点での状況を踏まえまして、私どもと現場で準備した職員も含めまして検証した結果、1年間の引き継ぎ期間を設けるということに改めてございます。その12か月のうち、4月から12月の9か月間につきましては、園長、主任、リーダー保育士が6人、計8名が園の状況を引き継ぐ、あるいは子どもさん、親御さんになれ親しむということを中心にやってございます。残り3か月につきまして、順次スタッフがそろいまして引き継ぎを最後、仕上げていくということでございます。特に主眼に置いておりますのが、当然、子どもさん、親御さんの状況、あるいはなれ親しんでいただくということと、園の保育の状況をよくとらえていただく。また、行事も含めて準備も含めまして、丁寧に引き継ぎをしていくということを今やってございます。順調に今進んでございますが、平和台以下につきましても同様の対応ということを考えてございます。(2010.2.17)
これだけの経過と背景を背負って導入され、そして事業者選定の前提として公けに明言されてきた「準備委託=1年」の約束を、いとも簡単に反古にしてよいはずがありりません。
by ikejiriseiji
| 2010-05-06 17:56
| 子育て